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参考
事項
パンケーキの定理 (中間値の定理の利用)
パンケーキが2枚ある。 1回のナイフカットでパンケーキを2枚とも同時に2等分すること
は可能だろうか?
実は常に可能である。このことを数学的に表したのが、次のパンケーキの定理である。
パンケーキの定理
2つの図形 A,B に対して,各図形の面積を同時に2等分するような直線が存在する。
この定理は,中間値の定理を利用して,次のように証明することができる。
図1
証明 図形 A,Bの両方が内部にあるような円をとり,これを
単位円と考える(図1)。 図形 A について,直線x=α の左
側の部分の面積をf(a), 右側の部分の面積をg(α) とし,
h(a)=f(a)-g(a) とすると, 関数h (α) は-1≦a≦1にお
いて連続と考えられん (-1)=-g(-1) <0, h(1)=f(1) > 0
よって, 中間値の定理により, h (α(0)) = 0 を満たす α=α(0),
-1<α(0) <1が存在する。 このとき,直線x=α(0) によっ
て,図形Aの面積が2等分されている。
同様に,図形Bの面積を2等分する直線x=6 (0) が存在す
る。
次に, 図形 A,Bを原点を中心としてだけ回転する(図
2)。 このときも, 図形Aの面積を2等分する直線x=α (0),
図形Bを2等分する直線x=b(0) が存在し, 00
の範囲で動かすとき, 関数 α (0), 6(0) は 0≦≦において
それぞれ連続と考えられる。
ゆえに, c(0)=α (8) -6(6) とすると,関数 (0) は
0≦において連続で, a(z)=-α(0), b(z)=-(0) で
あるから
c(0)c(x)={a(0)—b(0)}{a(π)—b(π)}=-{a(0)—b(0)}²
α(0)=b(0) のときは,定理が成り立つことは明らかであり,
c(0)c(π) <0
α(0) ¥6(0) のときは
よって, 中間値の定理により, c01) = 0 を満たす 01
( 0 01 <x) が存在する。 このとき, 図3のように直線
x=α(01) と直線x=6 (61) は一致し, この直線が図形 A, B
の面積を同時に2等分する。
以上により定理は証明された。
また、次のこと(ハム・サンドイッチの定理)が成り立つこと
も知られている。 これは, パンケーキの定理の空間版にあたる。
ハム1枚とそれをはさむ2枚のパンでできたサンドイッチに
ついて、ハム, パン2枚それぞれの体積を同時に2等分するよ
うに、必ずナイフカットすることができる。
x=b(0)
図2
B
図3
x=b(0) 11
B
of(a)
1
A
Ay
0
x=a(0)
239
√₁x
g(a)
XT
x=a(0)
A
x
y4|x=a(0₂₁)
[x=b(0₂₁)]
x
0=0₁
4章
17
関数の連続性