ウィンステップノート 1~12
への取り組み
ノートを見ずに模試
次の文章を読んで、後の問いに答えよ。(配点 三〇)
キー
主語
サイエンスとアート。
相反する点は、いくらでもあげられる。
本文
たとえば、普遍性と偶然性。サイエンスの実験では、条件をそろえれば毎回同じ結果になることが求められる。
データは平均化され、一回きりの出来事は「外れ値」として扱われる。しかしアートでは、偶然性がだいじにされ、
平均値よりも「外れ値」にこそ光があてられるようなことが多い。
~ たとえば、「わたし」の存在。 サイエンスの論文では、「思う」より「考えられる」という表現が好まれる。だれ
が考えてもそう解釈できる無理のない論理だという意味だ。つまりサイエンスは、できる限り「わたし」を排除す
る。いっぽうでアートは、むしろわたし」がなければはじまらない。「わたし」がこう思う、「わたし」はこう感
じる。ほかのだれもが気づかなかった「わたし」の「思う」や「感じる」を切り出して表現する。 解釈も鑑賞者に
よって異なり、そこに一つの正解があるわけではない。
もはや一八〇度違う部分も多いのだけれど、
サイエンスとアートは対極に位置するわけではない。むしろ、そ 10
の根っこにこそ共通するものがある。
(注)ないとうれい
(注)
その思いを強くしたきっかけが、芸大に入ったばかりのころ、特別講義でこられた内藤礼さん(現代美術)のお
話だ。
「たとえばいま、木漏れ日からさす光がカーテンにきらきら映し出される感じ。 そんなふだんの生活のなかの一場
面や自然の美しさを、いいなあ、と感じている。ほんとうはそうして自分で感じているだけでいいのだけれど、そ15
の「感じ」をアートのなかに表現したい。別にだれがしなくてもいいのだけれど、やらずにはいられない。わたし
は、究極に美しいものをつくりたい」
この言葉が、研究者として自分が目指す姿勢と重なり、サイエンスからアートの分野に足を踏み入れたときの迷
いを吹き飛ばしてくれた。
ふりかえり
5
Keflection
様々