農林水産省の食酢品質表示基準によると,食酢は醸造酢と合成酢に分類される。醸造
酢は穀類や果実などを原料とした発酵調味料であり,これには米酢,ブドウ酢,リンゴ
HFなどがある。一方,合成酢は酢酸の希釈液に砂構や酸味料などを加えた調味料である。
あるリンゴ酢中の酸成分を定量するため、下の実験1,2を行った。ただし,実戦は
職度25℃のもとで行い,このリンゴ酢中の酸成分は酢酸とリンゴ酸のみであるとする。
また,次の表は,酢酸とリンゴ酸の構造式とその物理的データをまとめたものである。
表
物質名
構造式
分子量
融点(℃]| 沸点[℃]
酢酸
CH3-COOH
60.0
17)
118
HO-CH-COOH
リンゴ酸*
134.0
100(回)
150
CH2-COOH
リンゴ酸は分子内に -COOH の構造を2つもち, 酢酸と同程度の強さの2価の
酸としてはたらく。
実験1:
の
リンゴ酢2.00 mL をコニカルビーカーにはかり取り, 水を加えて約10mL
とした。これに指示薬としてフェールフタレイン溶液を数滴加えたのち,
ビュレットから0.100 mol/L の水酸化ナトリウム水溶液を滴下したところ,
の
終点までに14.40 mL を要した。
実験2:リンゴ酢 2.00mL を蒸発皿にはかり取り, 液体成分を蒸発させたところ, 水
および,酢酸とリンゴ酸のうちの一方が完全に蒸発し, 他方はすべて固体として
残った。残った固体を約20mLの水に溶かしてコニカルビーカーに移したのち,
リンゴ酸
フェノールフタレインを指示薬として 0.100mol/L の水酸化ナトリウム水溶液
で滴定したところ,終点までに4.80 mL を要した。