90. 抗原抗体反応の応用 抗原抗体反応を利用してタンパク質の濃度を測定す
ELISA (エライザ) 法という方法がある。 例えば,あるタンパク質Aの濃度
を知りたい場合、次のようなしくみで測定することができる。
まず, 抗原であるタンパク質Aに対する抗体 A を結合させる。 結合しなか
った抗体Aを除去した後, 抗体Aに対する抗体B をさらに結合させる。この
抗体Bには、ある酵素Eをあらかじめ結合させてある。 抗体Aに結合しなか
った抗体Bを除去した後, 酵素Eの基質を加え, 酵素反応させる。 この基質
は、酵素反応により発色する性質をもち, タンパク質Aの濃度が高いと発色
が強くなる。 この色の濃さを測定することでタンパク質Aの濃度を測定する
ことができる。
(1) この測定で抗体 A, B に用いる抗体として最も適当なものを、下表の①~
⑥からそれぞれ1つずつ選べ。 抗体A〔2〕 抗体 B [ ⑤ ]
抗体 A
発色
酵素 E
抗体 B
タンパク質
抗体Bには、 抗体 A
を抗原として産生された
抗体を用いる。
抗体抗体の作製に用いた抗原
抗体を産生した動物
①
マウスのタンパク質A
ウサギ
②
マウスのタンパク質A
ヤギ
③
マウスのタンパク質 A
ヒトの抗体
ラット
ヤギ
⑤
ヤギの抗体
ニワトリ
マウスの抗体
ニワトリ
(2) 濃度が既知のタンパク質A水溶液を用いて, タンパク質Aの濃度
と色の濃さの関係を調べたところ右図のような結果を得た。 濃度
が未知のタンパク質A を含む試料S を 1.0mL 試験管にとり, そ
こに水を2.0mL 加えて希釈したものを同じように測定したところ、
色の濃さは0.50であった。 試料S に含まれるタンパク質Aの濃度
(ng/mL) を求めよ。
(150ng/mL (関西大 改]
1.4
1.2
色の濃さ (相対値)
1.0
0.8
相 0.6
0.4
1
1
F
0.2
0
0 20 40 60 80 100 120 140
タンパク質Aの濃度 (ng/mL)