出題パターン
38 定積モル比熱と定圧モル比熱
ピストンつきの容器内に、
モルの理想気体が, 体積 V1. 温度Tで閉じ
こめられている。 大気圧はp, 気体定数は R, 定積モル比熱をCとする
ピストンを自由に動けるようにして、熱を与えて温度を T2 にした。この
とき, 内部エネルギーの変化 4U, 気体が外部にした仕事 Wout 気体に加
えた熱 Qin はいくらか。 また、 以上の結果から, 気体の定積モル比熱 Cr と
定圧モル比熱Cの間にはどのような関係があるか。
解答のポイント!
定圧変化であっても 4UCn4T の形となることに注意。
解法
熱力学の解法3ステップで解く。
STEP1 変化の前後でのか,V,n,Tを
図示する。 ここでピストンは自由に動けるので、
ピストン内の気体の圧力は大気圧とつりあって
いて、いつもp となる。 このように、大気圧,
重力などの一定の力を受け自由に動けるピスト
前
p V₁
大気圧
nTi
D V2
大気
nT2
図 11-4
ンでは、必ず定圧変化になるのだ。 また後の圧力は最
体積を V2 (未知数) とおくと,
前:pV=RT ... ①
前
圧
Wout
後:pV2=nRT2 ... ②
STEP2 Vグラフは図11-5のようにな
る。 色のついた部分の面積が外へした仕事 Wout
になる。
0
V₁
V2 体積V
図11-5
STEP3 熱力学第1法則を表 (表中) にまとめると,
Qin
4U +
Wout
n(Cy+R) (T2-T)
Crn (T2-T)p (V2-V)=nR(T2-T) (1 ②より)
また,定圧モル比熱 C, は,
圧力一定で1モルの気体を1K上昇させるのに要する熱
であるので,Qmmでn=1 [mol], T2-T, = 1 [K] としたものに等しく
=1x (C+R)×1= [Cy+R
この式は理想気体であれば必ず成立するので、 この例題とともに覚えておこう。
STAGE 11 気体の熱力学 125