IA 森林の構造| 森林は, 降水量が多い地域に成立する植生で,密に生
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植生の構造
しんりん
えた樹木が相観を特徴づけている。
りんかん
りんしょう
る地面に近い場所まで, さまざまな高さに樹木がを広げている。十分に
発達した日本の森林では, 林冠部に葉を広げる高木層 その下に葉を広は
る亜高木層,その下の低木層, その下の林床部の草本層といった垂直方向
の階層構造が見られる(図2)。また, 地表付近にコケ植物や菌類が生
そうほんそう
かいそうこうぞう
> p.214
育する地表層があり, 地中では土壌が発達している。
林冠
高木層
スダジイ
タブノキ
ぼい?
亜高木層
ヤブ
ツバキ
モチノキ
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低木層
アオキ
ヒサカキ
モうーや
草本層
地表層
ベニシダ、
林 床
(図中の植物については, 巻末の生物図鑑を参照)
地中層
相対照度*(%)
100
20
※林外の光量を100%としたときの相対的な光量
①図2 森林の階層構造の例(スダジイを優占種とする森林)
林冠から林床に向かうにつれて, 到達する光の量が少なくなっていくだ
め,それぞれの層ではその高さの光の量に適応した植物が生育している。
ようせいしょくぶつ
内などの比較的光の弱いところでも生育できる植物を陰生植物と
いんせいしょくよぶつ
15
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育するような低木や草本類には陰生植物が多い。
(熱帯多雨林, >p.164) や, 逆に階層構造が2層しかない場合(針葉樹林,
A.167) もある。
光を広い面積で受けられるようにしているものもある。