例題 大腿四頭筋の収縮力は,腱を介し膝蓋骨によって方向をかえ, 脛骨に伝えられ
けいこつ
だいたいよんとうきん
けん
かい
しつがいこつ
る。大腿四頭筋が脛骨におよぼす力テは、下図のような配置のときに300N であった。膝蓋
骨が大腿骨におよぼす力の大きさと向きを求めよ。
(解答)図5で,右上30°方向に向かう力と右下70°方向に向かう力との合力を求める。
合力を幾何学的に求める方法は、図5に小さく挿入したが,解析的に求めるには次のように
する。
右上30°方向に向かう力テと右下70°方向に向かう力の成分,y成分それぞれの和を
求めれば,次のようになる。
ΣF = T₁ cos 30° +T³ cos(−70 °)
=300Nx(cos30°+cos(−70°))
= 362.4N
Fy=Tsin30°+TB sin(−70°)
=300Nx(sin30°+sin(−70°))
=-131.9N
合力の大きさは
F = √362.4°+(-131.9) N=385.7N
tan0 =
であり,その向きは
-131.9
362.4
:.0 = -20°
=-0.364
??
膝蓋骨
TA
\30°
大腿骨
170°
ベクトル
TB 脛骨の合成
図5 ひざにかかる力のつりあい
運動し
(答: 385.7N,右下20°)
上のような問題では,略図を描いて考えることが大事である。 図
きれいに描く必要はない。 大事なことは,系の重要な部分が図中に
され,解に関係するベクトルがすべて矢印で表わされていることで
る。略図なしで問題を解こうとすることは、電話で将棋対局をする
うなものであり,初心者のうちはやめておいた方がよい。