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54 第2章 2次関数
55
標問 24
すべての(ある) に対して...
不等式 ax²+(a-1)x+a>0について,
(1) すべての実数に対してこの不等式が成り立つような定数αの値の範囲
を求めよ.
この6つのグラフを考えると, すべての実数
に対して ax2+bx+c > 0 となるのは,
a>0, (D=) b2-4ac<0
のときであることが納得できるでしょう.
次に,
・解法のプロセス
ar2+bx+c>0 (a≠0)
となる実数ェが存在する。
> または 62-4ac>0
(2)この不等式を満たす実数が存在するような定数αの値の範囲を求めよ.
(千葉工業大・ 改)
ax2+bx+c>0 となる実数xが存在する
条件はどうでしょうか.
精講
2次不等式 ar²+bx+c>0 (α≠0)
について考えることにします。
この2次不等式が すべての実数xに対して成
立する条件を調べてみましょう.
解法のプロセス
前の6つのグラフを見ると, α > 0 ならO.K.
です.そして,a <0 でも、 (D=) 624ac0 な
らO.K. です.つまり
◆グラフがx軸より上側の部分
に(も)あればよい
すべての実数に対して
ax2+bx+c>0 (a≠0)
a0 または (D=) 62-4ac > 0
が条件となります。
↓
a>0 かつ 6-4ac < 0
y=ax2+bx+c (a≠0) のグラフを利用して考
えるとわかりやすいです.
解答
すべての実数xに対して ax+bx+c>0
となるのは,
y=ax2+bx+c のグラフがx軸より上に浮い
ていることです. いいかえると,
y=ax2+bx+c
a>0
(a-1)2-4a²<0
下に凸で,軸と共有点をもたないこと, つま
りα > 0 かつ (D=) 62-4ac < 0 が条件です。
αの符号, Dの符号によって, y=ax2+bx+c
のグラフは次のようになります。
a>0 のとき
(D=) b2-4ac>0
(D=) 63-4ac=0
(D=) b2-4ac <0
+
+
+
ax2+(a-1)x+a>0
......(*)
(1) α=0 のとき (*)は-x>0 となり, これを満たすェは x < 0 である.
次に, α≠0 のときについて調べる.
すべての実数に対して2次不等式 (*) が成り立つ条件は
である.
(α-1)^-4a²<0 より (a+1) (3α-1)>0
よってa<-1, 1/32 <a
a>0であるから 1/18<a
(2)(i) a=0 のとき, (*) を満たすxが存在する.
(ii) α=0 のとき,
(*) を満たす実数ェが存在する条件は
a>0 または (α-1)^-4a²>0
である.
(a-1)2-4a2>0より 1<a</1/23
-3a²-2α+1 <0 より,
3a²+2a-1>0
の係数が正またはD>0
◆ェの係数が正かつ D<0
α < 0 のとき
(D=) 62-4ac>0
(D=) 62-4ac=0
(D=) b2-4ac<0
よって, -1<a (ただし, a≠0)
したがって, (i), (ii)より -1<a
◆α≠0 のときについて調べて
いる
©
+
①
演習問題
24
すべての実数xについて, ar'+(a-1)x+α-1<0 が成り立つような
αの値の範囲を求めよ.
第2章