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25]精子の誘引と先体反応
ウニの未受精卵には,内側から順に卵細
胞,卵膜,ゼリー層という層状構造がある(図
1)。精子がゼリー層に達すると, 精子の
先端から先体突起が伸長する。これを,先体
反応という。そこで,ウニの未受精卵と精子
を用いて,以下の実験を行った。()
実験1 海水を含むペトリ皿に精子懸濁液(一定数の精子を含む海水) を加えると, 精子
はゆっくり運動した。 さらに一定数の未受精卵を加えると, 精子は激しく運動した。
実験2 未受精卵のかわりに, ゼリー層のみを除去した未受精卵を用い, その他の条件
は実験1と同じにすると, 精子はゆっくりと運動した。
実験3 未受精卵のかわりに,未受精卵から取り出したゼリー層を用い,その他の条件
は実験1と同じにすると, 精子は激しく運動した。大
実験4 図2のように,未受精卵を含む海水の入った半透膜の袋を海水中に入れた。こ
のときの容器中の未受精卵1個あたりの海水量は, 実験1と同じである。一定時間後。
袋の外側の海水に、海水1mL あたりの精子の数が実験 1と同じになるように, 精子
懸濁液を加えると、精子は激しく運動した。
実験1~4で先体反応がみられたのは実験1,3のみであった。これらの結果から,
精子に運動性の上昇を引き起こす物質Xと,精子に先体反応を引き起こす物質Yの存在
を仮定し,これらの物質が精子に十分量作用すると物質の効果が現れると考えた。
問1 下線部アに関連して, 100個の一次卵母細胞が同時に減数分裂を開始してすべて
正常に卵になった場合生じる卵の個数はいくつか。最も適当なものを次から一つ選べ。
0 25個 ② 50個
問2 下線部イに関連して,先体突起の伸長に関わる細胞骨格として最も適当なものを,
次から一つ選べ。
0 微小管
支持棒
L O
未受精卵を
含む海水
卵膜 ゼリー層
ア
ひも
半透膜
卵細胞
海水
図1
図2
第, ⑥は
さ満数分
こある。
はみら
胞が輪
る。
つ方が
6 800個
こから
3 100個 ④ 200個 6 400個
出さ
かる」
中間径フィラメントS
2アクチンフィラメント
Oミオシンフィラメント 会 主要組織適合抗原
3
の コラーゲン
問3 XとYが存在する未受精卵の存在部位として最も適当なものを,次からそれぞれ
一つずつ選べ。
0 卵細胞のみに存在 謙 卵膜のみに存在 キエ③ゼリー層のみに存在
の 卵細胞と卵膜の両方に存在
6 卵膜とゼリー層の両方に存在 0 すべての領域に存在
下問4 半透膜に対するXとYの透過性について, 実験結果から導かれる結論として最も
適当なものを,次からそれぞれ一つずつ選べ。
0 半透膜を通過することができる。 半透膜を通過することができない。
半透膜を通過できるか, 実験結果からはわからない。
を歯
代 (卵細胞とゼリー層の両方に存在
1競実
に栄
くセンター試験 本試〉
8ケ人
26]多精拒否の機構
ウニでは,複数のヵ精子が卵に受精(多精)するのを防ぐしくみ(多精拒否機構)を2通
47
13|生殖法,動物の配偶子形成と受精
第4章
生殖と発生
塩注