1 日本語のきまり
文の骨組みをとらえる
る
(2))
ごうおん
1 人間は昼間ものを見て活動しているので、光が去った夜は不安で
ある。でもそのふんわりとした不安が、魅力でもある。 何か別の力
が、その不安の中から湧いてくる感じがあるからだ。何かわからな
不明の力、妖し気な力、悪いことかもしれない力。そういう、見
えないけれど何か見えてくるような夜の世界が、広重の絵には、そ
うだ、この感じ、という感触で描かれている。
(赤瀬川原平 『赤瀬川原平の名画探険 広重ベスト百景』)
かほん
ました
きふく
川筋の住人は、自分たちが海の近辺で暮らしているとは思ってい
ない。実際、川と橋に囲まれ、市電の轟音や三輪自動車のけたたま
排気音に体を震わされていると、その周囲から海の風情を感じ
取ることは難しかった。だが満潮時、川が逆流してきた海水に押し
あげられて河畔の家の真下で起伏を描き、ときおり潮の匂いを漂わ
せたりすると、人々は近くに海があることを思い知るのである。
(宮本輝「泥の河」)
ふぜい
A
ただよ
問一 「傍線部①「川が」 の述語 (部) 三つ、それぞれ条件にしたがって答
傍線部「そういう〜描かれている。」における主部と述部を、それぞれ
一文節で答えよ。
えよ。
主部
←一文節で
|述部
B
A
「文節」とは
・文を、意味の上からも発音の上からも不自然でないように、でき
るだけ短く区切ったまとまりを「文節」という。
・文節の区切りの見分け方は「ネ・サ・ヨ」を入れてみるとよい。
ネ
メロスは激怒した
川が
C
問傍線部② 「思い知るのである」の主語を答えよ。
←一文節で
←二文節で
ネ
ネ
メロスは
は我が身にむち打ちぐついに出発を決意した。
のんきなメロスも、だんだん不安になってきた。