評3 322
をホンモノたらしめているはずの金銀に 「似せ」たものを作ることによって、ホ
ンモノのおカネと同一の価前を得ようとしていたのである。それゆえ、ニ七ガネ
とは、いかにキンモノに似ていてもあくまでもキンモノの金銀に対する二セモノ
PーA には良してホンモノにになることはできない。しかも、ひとたびニ
七ガネが発覚してしまえば、ニセガ作りたちは、赤ンモノの全貸や銀食の権域
を乱したかどではりつけ鉄門の刑に処せられた。いわば彼らはホンモノの形面上
Aモノになることはを
ビはにこ員合」
学の真れな犠牲者なのであった
これに対して天王寺屋や海池屋は、ただホンモノのお力ネの代わりとして加か
り手形を発行しただけである。だが、彼らの意図がどうであれ、この単なる紙切
れが、ホンモノのおカネとは似ても似つかないにもかかわらず、いやそれとは似
ても似つかないことゆえに、あのホンモノの「代わり」がホンモノに「代わって」
やにニ守Aへなってしまうという通設の作用を受け、 それ自身ホンモノの
おカネになってしまったのである
ホンモノのおカネに似せるのではなく、ホンモノのおカネに代わってしまうこ
とーそれがホンモノのおカネを作る極意なのである。