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354 第5章 微分法
|2 いろいろな関数の微分法
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Column コラム
解説
a-1-
=1 を満たすaと定義したことより, eを底(すなわち a=e)
「eについて」
eを lim
カ→0
h
数学皿の教科書では,「無理数e」を次のような流れで定義している
とする指数関数 e* の導関数は、
(e*)'=e*lim e^-1
ー=e".1=e* となる。
a>0, aキ1 のとき
log。(x+h)-logaX (導関数の定義より)
(e*)=e*
inAti. P344例o6 の 0がい生場
(1ogax)=lim
すなわち,
h
h→0
x+h
=limHloga
h-0 m
しかし,ここでも気になるのは,「e」がlime^-1
h
=1 を満たす数というはっ
キりとしない定義で,一体どんな値になるのかよくわからない。
そこで、もう少しはっきりとした定義に近づいてみよう。
=lim}
2 h-0
-③ とおくと, ,h→0 のとき, k→0
Lgons
ここで、
x
Oos (i+-m 08. (1+4)*
合eを底とする対数関数 y=logex を考えると,これは, y=e* の逆関数よ
n 2つの関数のグラフは直線 y=x について対称である。
y=e* 上の点(0, 1) における接続線の傾きは1で
あるから(そのように定義したのがeであるから)。
y=logex 上の点(1, 0) における接線の傾きも、
対称性より1である。
したがって、
したがって、
(logax)'=lim
Hoga
k→0
k→0 X
「k→0 のとき(1+k)京はある一定の値に収束することが知られており,
この極限値をeと定義する」 (*)
つまり, e=lim(1+k)で, e=2.71828…となる無理数である。
ソ=e
/y=x
k→0
ず東0
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y=log.x
第の章
しかし,(*) の部分は, 教科書では, kを±0.1, ±0.01, ±0.001, ±0.0001 と
具体的なんに対し,(1+k)素を求めているだけで, あくまでも予想である。
loge(1+h)-log.1
h
lim
10 /1
h→0
そこで,ここでは, もう少しイメージが湧くように違った視点からelについて
考え直してみよう.
-liog. (1+-im log. (1 +hQ-1
h→d
h→0
京
0
より,
lim log。(1+h)=log.e
指数関数 α*(a>0, aキ1) の導関数を考えると, シ
h→0
(α*))=lim
h
a*+h-a*
a^-1
より,
300+ー
ソ=3
/y=2"
ここで, y=logex は連続な関数であり, 単調増加であるので
im
lim loge(1+h)=1ogelim (1+h)
h→0
h→0
4
a^-1
が求まればよい。
そいる
h→0
h→0
lim
となることが知られている。
h→0
y=1.5"
a^-d°
カー h-0
この値は, lim
より, a*の x=0 におけ
よって,
loge lim (1+h)=logee より,lim (1+h)=e
………0 となる。
h→0
h→0
る微分係数,つまり, y=α" の点 (0, 1) における
接線の傾きである。 今, a>1 の場合を考えると,
右の図のように,aが大きくなるにつれて,この値
(接線の傾き)は大きくなる。
したがって,eを①のように定義すれば,この逆をたどって(e")'=e* を示す
ことができる。
したがって, aをうまく選べば, (0, 1)での接線の傾きが1となるようにでさ
るはずで,このときの aの値を、eと表し, 「自然対数の底」 という.
注)ただし,ここではあくまでeをある極限で定義しただけで,この値が実
際に存在し,具体的にどのような値(e=2.71828…)になるかは示され
ていない。このことを示すのは少し難しい。 )