発展
25 次の文章を読み、 以下の問いに答えよ。
細胞分画法は,細胞小器官の大きさや重さ
の違いを利用し, 細胞小器官やそれ以外の成
分を分離する方法である。 ある動物細胞から,
次のような細胞分画法(図1)で, 細胞小器官
を分離した。
まず, (ア) 4℃の環境のもと, 適切な濃度の
細胞破砕液
遠心分離
1000g
上澄みa
遠心分離
20000g
上澄みb
遠心分離
150000g
上澄みc
[沈殿B]
スクロース溶液中で細胞をすりつぶし, 細胞 沈殿A]
破砕液をつくった。 次に, 細胞破砕液を試験
管に入れて, 1000g (gは重力を基準とした遠
心力の大きさを表す)で10分間遠心分離し,
沈殿Aと上澄み a を得た。 これらを光学顕
微鏡で観察したところ, 沈殿Aには核と未
破砕の細胞が含まれていたが,上澄み a
には,これらは含まれていなかった。 上
澄みaをすべて新しい試験管に移し,
20000gで20分間遠心分離し, 沈殿B
と上澄みbに分けた。 さらに, 上澄み b
をすべて新しい試験管に移し, 150000g で180分間遠心分離し, 沈殿 Cと上澄み c
に分けた。 次に, 各沈殿と各上澄みについて, (イ) 呼吸に関する細胞小器官に存在する
酵素Eの活性を測定し, 表1に示す結果を得た。 なお表中のU(ユニット) は酵素 E
沈殿C
図1 細胞分画法
表1 各沈殿
沈殿 A
E の活性(U)
上澄み中の酵素
134 U
上澄み a
XU
沈殿 B
沈殿 C
463 U
上澄み b
YU
6 U
上澄み c
25 U