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評論
N
うR SSゆき
*本誌P4~5
生きる意味
上田紀行
B この社会にはどこかに中心があって、自分はその中心から遠くハナれたところに押しやられていると感
じている人は多い。しかし、私は私自身の「生きる意味」を創造し、私の生きる世界に意味を与える存在な
のであり、世界の中心は私自身にあるのだ。しかし、それは「自己チュー」の世界ではない。なぜなら、私
自身が意味を生み出す中心であることをミトめるとき、私たちの周りには私だけでなくたくさんの中心が
あることがわかってくるからだ。あの人もまた自分自身の「生きる意味」を生み出しながら生きているひと
要約のポイント 本誌で確認した事柄を整理
つの中心である。そしてまたあの人も……。
かけがえのない存在がここにいて、あそこにもいる。世界の中心がここにもあり、あそこにもある。私
たちひとりひとりをオリジナリティーの源泉として見るとき、世界のいたるところに「かけがえのない」オ
リジナリティーの中心が見えてくる。私のかけがえのなさを見いだすことは、あなたのかけがえのなさを一
見いだすことでもある。そしてあなたのかけがえのなさに気づくことは、私のかけがえのなさに気づくこ」
とにもなるのである。
世界の中心として「生きる意味」を創造する、私たちについて。
0筆者の注目している点
互いのかけがえのなさに気づくとき、生きる思いが共有される。
筆者の主張」
ひとりひとりの「生きる意味」を再構築することが、尊重しあう社会への道となる。
日本予のふ
V段落要旨 空欄部分を書いてみよう
そこで私たちの世界には不思議な転換が起こる。かけがえのないあなたが傷つき、苦しむとき、私は私
が傷つけられたように感じる。かけがえのないあなたが喜ぶとき、私は我がことのようにうれしくなる。
日 は
(世界に意
味を与える世界の中心であり、あの人もまた、ひとつの中心である。
「かけがえのなさ」とは「交換不可能」であることだと私たちはずっと思ってきた。しかし、私たちはともに
苦しみ、ともに喜ぶ存在同士なのであり、私たちの苦しみと喜びは交換可能であるのかもしれない。あな一
たが私の苦しみを負い、私があなたの喜びに生かされているのかもしれない。そこにおいて、私たちは「交
換可能」という思いに引き裂かれることからの大きな一歩を踏み出す。そして生きる思いを共有できること
の豊かさへと開かれていく。私の「かけがえのなさ」を追い求めてきた私は、世界の「かけがえのなさ」へと
かけがえのない存在がここにも、あそこにもいる。私のかけがえのなさを見いだ」
すことはあなたのかけがえのなさを見いだすことでもある。
そこで不思議な転換が起こる。かけがえのないあなたの喜びや苦しみが一
|のように感じられる。私たちはともに苦しみ喜ぶ存在であり、そこに
サソわれるのである。
おいて、「交換可能」という思いに引き裂かれることからの大きな一歩を踏み出し、
世界にはいたるところに中心があり、その中心同士が互いを尊重しあう社会への道がそこにある。与え
られた「生きる意味」を生きるのではなく、ひとりひとりが自分の人生の創造者となるよう「生きる意味」を一
再構築していくことは、私の尊厳とあなたの尊厳をともに回復していく歩みなのである。
生きる思いを共有できる。
いたるところに中心があり、そこから中心同士が一
そんなプロセスをあなたは理想論の絵空事だと思うだろうか
|が導かれる。ひとりひとりが人生の創造者として「生きる意味」を再
構築することで、尊厳が回復されていくのであり、そんなプロセスは絵空事ではない。
おぼえておこう·重要語量
数字はその語の登場する行数を、tは対義語を示す。
百字要旨
1.2をふまえ、百字以内でまとめよう」
s
→模倣
2創造|新しいものを自分でつくりだすこと。
7かけがえのない||代わりになるものがない。
2尊厳||尊く威厳のあること。
83プロセス-
-物事が進む順序や過程。