生物基礎
2021年度 : 生物基礎/本試験(第1日程) 45
B アフリカのセレンゲティ国立公園には,草原と小規模な森林, そして, ウシ科
のヌーを中心とする動物群から構成される生態系がある。 この国立公園の周辺で
ぎゅうえき
さは, 18世紀から畜産業が始まり、同時に牛疫という致死率の高い病気が持ち込
まれた。牛疫は牛疫ウイルスが原因であり,高密度でウシが飼育されている環境
では感染が続くため、ウイルスが継続的に存在する。 そのため, 家畜ウシだけで
なく、国立公園のヌーにも感染し、大量死が頻発していた。 1950年代に,一度
接種で、生涯, 牛疫に対して抵抗性がつく効果的なワクチンが開発された。 そ
まんえん
のワクチンを、1950年代後半に,国立公園の周辺の家畜ウシに集中的に接種す
ることによって,家畜ウシだけでなく, ヌーにも牛疫が蔓延することはなくな
り,牛疫はこの地域から (2) 根絶された。 そのため, 図4のように (b) ヌーの個体
数は1960年以降急増した。 図4には, 牛疫に対する抵抗性をもつヌーの割合も
示している。
もつヌーの割合
牛疫に対する抵抗性を
#1600
1400-
100
ヌーの個体数
200
80
tam &
1000-
個 800
体
数
600
(×1000)
400
80
-60
40
L 20
200
牛疫に対する抵抗性をもつヌーの割合
0
........
1950
1960
1970
2000
1980 1990
2010
年
図