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基本例題 54 剰余の定理利用による余りの問題 (2)
整式 P(x) を x+1で割ると余りが-2, x2-3x+2で割ると余りが -3x+7であ
るという。このとき, P(x) を (x+1)(x-1)(x-2)で割った余りを求めよ。
基本 53 重要 55
指針 例題 53 と同様に, 割り算の等式 A=BQ+R を利用する。
3次式で割ったときの余りは2次以下であるから,R=ax²+bx+c とおける。
問題の条件から,このα, b,cの値を決定しようと考える。
別解 前ページの別解のように、文字を減らす方針。 P(x) を (x+1)(x-1)(x-2) で
割ったときの余りを、 更に x2-3x+2 すなわち (x-1)(x-2) で割った余りを考える。
解答
P(x) を (x+1)(x-1)(x-2)で割ったときの商をQ(x), 余り
をax²+bx+cとすると, 次の等式が成り立つ。
P(x)=(x+1)(x-1)(x-2)Q(x)+ax²+bx+c.
ここで, P(x) をx+1で割ると余りは-2であるから
P(−1)=-2.
また, P(x) を x2 - 3x+2 すなわち (x-1)(x-2)で割ったとき
の商を Qi(x) とすると P(x)=(x-1)(x-2)Q(x)-3x+7
ゆえに P(1)=4
よって, ① と ② ~ ④ より
a-b+c=-2, a+b+c=4, 4a+26+c=1
この連立方程式を解くと
したがって 求める余りは -2x2+3x+3
......
③, P(2)=1
a=-2,6=3,c=3
………...
別解 [上の解答の等式 ① までは同じ ]
x2-3x+2=(x-1)(x-2) であるから,
(x+1)(x-1)(x-2)Q(x)はx-3x+2で割り切れる。
ゆえに, P(x) を x-3x+2で割ったときの余りは,
ax²+bx+c をx2-3x+2で割ったときの余り)と等しい。
P(x) をx2-3x+2で割ると余りは-3x+7であるから
ax2+bx+c=a(x2-3x+2)-3x+7
よって, 等式 ① は,次のように表される。
P(x)=(x+1)(x-1)(x-2)Q(x)+α(x-3x+2) -3x+7
P(−1)=6a+10
したがって
P(x) を x+1で割ると余りは−2であるから P(−1)=-2
ゆえに
6a+10=-2
よって
a=-2
求める余りは -2(x2-3x+2) -3x+7=-2x²+3x+3
3次式で割った余りは, 2
次以下の整式または定数。
<B = 0 を考えて
x=-1, 1,2
を代入し,α, b,cの値を
求める手掛かりを見つける。
(第2式) (第1式) から
266 すなわち b=3
この解法は、下の練習 54
を解くときに有効である。
(*)ax²+bx+cを
x2-3x+2で割ったときの
余りをR(x) とすると, 商
は α であるから
P(x)
=(x+1)(x-1)(x-2)Q(x)
+α(x2-3x+2)+R(x)
=(x2-3x+2)
×{(x+1)Q(x)+α}+R(x)
両辺にx=-1 を代入。