問4 下線部①に関連して,次の史料に関して述べた後の文あいについて,その
正誤の組合せとして正しいものを,後の①~④のうちから一つ選べ。
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史料
かねひろ
御合体の事 連々 (注1) 兼黒卿 (注2) を以て申し合せ候処, 入眼(注3)の条珍
重に候。三種神器帰座あるべきの上は、御譲国の儀 (注4) たるべきの旨. 其の
意を得候(注5)。自今以後,両朝の御流相代々御譲位治定(注6) せしめ候ひ畢ん
なかんずく
ことごと
おわ
ぬ。就中諸国国衙,悉く皆御計ひたるべく候(注7)。 長講堂 (注8) に於いては,
諸国分一円持明院殿(注9)の御進止 (注10) たるべく候。 此等の趣を以て, 吉田右
府禅門相共に執奏あるべく候。御入洛の次第等,なお兼熙卿に申し含め候,其
意を得べく候か。 恐々謹言
十一月十三日 (注11)
阿野前内大臣殿(注12)
(注1) 連々: 念を入れて。
(注3)入眼:完成したこと。
(注5) 其の意を得候:了解する。
義満
(「近衛家文書」)
(注2) 兼熙卿: 吉田兼熙。
(注4) 御譲国の儀 : 譲位の儀式
(注6) 治定:落着する。
(注7) 国,悉く皆御計ひたるべく候:国衙領は大覚寺統の管轄とする。
(注8) 長講堂 : 長講堂領。
(注10) 御進止: 支配
(注9) 持明院殿: 後小松天皇
(注11) 十一月十三日: 実際は1392年の10月13日
(注12) 阿野前内大臣殿:阿野実為。後亀山天皇の信任を得て内大臣となった。