-
AとBがあるゲームを9回行ったところ, Aが7回勝った。 この結果から, A
はBより強いと判断してよいか。 仮説検定の考え方を用い, 基準となる確率を
0.05 として考察せよ。 ただし, ゲームに引き分けはないものとする。
基本191
指針 AはBより強いかどうかを考察するから、 仮説H, として 「AはBより強い」仮説
Ho として 「AとBの強さは同等である」 を立てる。 そして, 仮説 Ho, すなわち,Aの
勝つ確率が1/2 であるという仮定のもとで,Aが7回以上勝つ確率を求める。
なお,ゲームを9回繰り返すから, 確率は反復試行の確率 (数学A) の考え方を用い
求める
反復試行の確率
この試行を2回繰り返し行うとき、 事
する。
Cap (1-p "-" ただし= 0, 1,
n
1回の試行で事象E が起こる確率を
象Eがちょうど回起こる確率は
[補足 nCy は,異なるn個のものの中から異なる個を取る組合せの総数である。
仮説 H1 : AはBより強い
4 対立仮説
解答」と判断してよいかを考察するために, 次の仮説を立てる。
仮説 H: AとBの強さは同等である
帰無仮説
仮説 H のもとで, ゲームを9回行って, Aが7回以上勝
つ確率は
+gCa
c{})°(G)+c{}){})+c {\(\)\
2
+9C7
=/(1+9+36)=512
46
0.089......
これは 0.05 より大きいから, 仮説 H。 は否定できず,仮説
H, が正しいとは判断できない。
勝つ確率は1
「反復試行の確率。
AとBの強さが同等の
とき, 1回のゲームで
が勝つ確率は1/2,Bが
1/2=12
-
したがって, AはBより強いとは判断できない。
である。
検討
AはBより強いと判断できる条件
問題文の条件が、 「ゲームを9回行ったところ, Aが8回勝った」 であったとすると, ゲー
ムを9回行って, Aが8回以上勝つ確率は
oco(1/2)(1/2)+cm(1/2)^(1/2)=1/08(1
10
(1+9)=
= = 0.019.....
512
これは 0.05 より小さいから, AはBより強いと判断できる。
Aが勝つ回数をX とすると, 仮説 H, が正しい, つまり,AはBより強いと判断できるた
めの範囲は、例題の結果と合わせて考えると, X≧8 である。このX≧8 つまり, 仮説 H
が正しくなかったと判断する範囲 (仮説H を棄却する範囲)のことを棄却域という。 乗
却域は基準となる確率 (この問題では 0.05) によって変わる。