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ⅡI 次の文章を読んで、後の問い (問9~11) に答えよ。
化合物Pは分子式 C15 H12N2O の芳香族化合物で,分子内にエステル結合とアミド
結合をもつ。 この化合物に関わる以下の実験を行った。
実験6:Pを部分的に加水分解したところ、いずれも分子内にベンゼン環をもつ化合
物 P1と化合物 P2 だけが得られた。 一方,Pを完全に加水分解すると3種類
の化合物を生じたが, そのうち分子内にベンゼン環をもつものはPと化合
物P3 であった。
解説 : ベンゼンに置換基Yが1つ置換した化合物 CHY において, そのベンゼ
ン環の水素原子がさらに置換されるとき、以下の配向性が成り立つ。 - Y
が,アルキル基,-OH, -OR, NH2, - NHCOR なら、さらなる置換反
応はオルト位およびパラ位で起こりやすい (オルト・パラ配向性)。 -Yが,
-NO2,NH3+,-COOH -COOR なら, さらなる置換反応はメタ位で起
こりやすい (メタ配向性)。 なお, Rは炭化水素基である。 また, 2種類の置
換基が結合した二置換ベンゼンをさらに置換する場合, オルトパラ配向性
の置換基の方がメタ配向性の置換基に比べて影響が大きい。
SM
NO2