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問題
(088)
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硫黄は化学的に活性で,多くの元素と化合して硫化物をつくる。 空気中で
硫黄の化合物である硫酸は,以下の方法で工業的に製造される。 まず、硫
点火すると、青色の炎を上げて燃焼して,二酸化硫黄を生じる。
黄を燃焼させ、二酸化硫黄をつくる。 次に酸化バナジウム(V)を触媒として用
いて二酸化硫黄を空気中の酸素と反応させて, 三酸化硫黄とする。生成した
三酸化硫黄を に吸収させて発煙硫酸を得る。 これをbで薄めて濃硫
酸にする。 この硫酸の工業的製法をc という。
XO
同素体
外観
分子の
構成
硫黄 (16族 )
問1 文中のabにあてはまるもっとも適切なものを、次のア~オ
の中からそれぞれ1つずつ選べ。
ア王水 イ希硫酸
オ 濃硫酸
問2 文中のc にあてはまるもっとも適切なものを、次のア~オの中か
ら1つ選べ。
ソルベー法 エ 電解精錬
アオストワルト法 イ 接触法
オハーバー・ボッシュ法
問3 硫酸の工業的製法により硫黄が完全に硫酸に変えられるとすると、硫
黄 16.0kgから理論上、質量パーセント濃度98.0%の濃硫酸は何kg得られ
るか。 原子量はH=1.00=16, S =32とし、 もっとも近い値を次の
ア~オの中から1つ選べ。
ア 49.0 イ 50.0
ウ 96.0
斜方硫黄
かいじょう
黄色, 塊状結晶
ウ 混酸
環状分子 S B
しゃほう い おう
たんしゃ
(解説)
問1,2Sの同素体には,斜方硫黄, 単斜硫黄, ゴム状硫黄
などがある。斜方硫黄を加熱し液体とし、冷水で急冷すると
ゴム状硫黄(無定形硫黄) が得られる。
M 1回目
エ 196 オ 200
環状分子 S B
▽ 2回目
① 水酸化ナトリウム水溶液
鎖状分子S x
(千葉工業大)
単斜硫黄
ゴム状硫黄(無定形硫黄)
しんじょう
淡黄色, 針状結晶 褐色 (純度が高いと黄色) , ゴム状固体
Sを空気中で燃やすと, SO2 を発生する。
S + O2 →
酸化バナジウム(V) V205を触媒とし, SO2を空気中のO2と反応させると
SO3が得られる。
答
はつえん
生じたSO3を濃硫酸に吸収させて得られる発煙硫酸を 希硫酸で薄めて
a
→ SO2
2SO2 + O2 2SO3
濃硫酸をつくる。
SO3 + H2O → H2SO4
せっしょくほう
この硫酸の製造法を接触法 という。
Point
S
O2
問1
接触法
11393
SO2
kgをgに
16.0×10²〔g〕
32[g/mol]
16.0kgに含まれる
Sの物質量
O2
[V205]
問3 S原子に注目すれば, Sが最終的にH2SO4に変化したことから, S1mol
a : オ
からH2SO4が1mol得られることがわかる。 濃度98.0%の濃硫酸がx [kg]生
じたとする。
H2SO4の分子量 = 1.0×2+32 + 16×4 - = 98 なので,次式が成立す
る。
SO3
mol(S)
よって、x=
=50.0[kg]
したがってが正解である。
濃硫酸
1 [mol (H2SO4)〕
1 [mol(S)〕
b: イ
発煙硫酸
問2
希硫酸
kgに
= x x 103 x
で
濃硫酸
÷98
x [kg] の98.0%濃硫酸 mol (H2SO4)
に含まれるH2SO4 の
質量〔g〕
問3 イ
98.0
100
(H2SO4)
?なにやってる?
第8章 無機物質
第8章 無機物質 145