「な」の識別
副詞(禁止)「な」
副詞の呼応
終助(禁止)
禁止・・・するな
例もの知らぬことなのたまひそ。 (竹取物語)
わけのわからないことをおっしゃいますな。
終助詞 「な」
ラ下二 「忘る」終止
そのことかのこと便宜に忘るな。 徒然草・一五) 禁止・・・(する)な
そのこともあのことも適宜やっておけ、忘れるな。
終止形接続(ラ変の場合は連体形)。
例花の色はうつりにけりな(古今集巻二)
詠嘆・・・・なあ
桜の花はむなしく色あせてしまったな 私の容姿もすっかり衰えてしまったなあ)。
ダ下二「漕ぎいづ」未然
例今は漕ぎいでな (万葉集巻一)
自己の意志(代)・・・しよう
さあ、今漕ぎ出そう。
完了 強意の助動詞「ぬ」の未然形
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ヤ下二「消ゆ」連用
例露と答へて消えなましもの (伊勢物語・六)
きっと・・・・たしかに・・・
…..てしまう
「露だよ。」と答えて(私も露のように 消えてしまえばよかったのに。
連用形接続。 「なむ」 「なまし」の形が多い。
語の一部の「な」→語の知識を確実に
カ四 「飽く」未然
かなくにまだきも月のかくるるか(古今集巻一七) 打消「ず」未然形(上代)
まだ満足していないのにもう月が隠れるのだなあ。
ア下二「得」連用
例) かぐや姫を得てしがな(竹取物語)
自己の希望の終助詞の一部
かぐや姫を手に入れたい。
自己の希望の終助詞は他に「てしが」 「にしが」「にしがな」がある。
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強意
次の1~⑤の「な」の文法的説明として適切なものを語群のア~オ
より選び、記号で答えなさい。
禁止
(宇治拾遺物語)
1 な起こし奉りそ
( 橋を引いたぞあやまちすな。
(平家物語)
橋板をはずしたぞ
③ 心あらん友もがなと、都恋しう覚ゆれ。
(徒然草・一三七)
④師の説に違ふとて、なはばかりそ。
(玉勝間)
覆
(古今集巻二)
⑤ いざ桜も散りなむ
新
ア副詞 イ禁止の終助詞
工完了(強意)の助動詞未然形
オ自己の希望の終助詞の一部
三次の1~③の傍線部を 「な」の文法的意味に注意して口語訳しなさい。
1馬には弱う、水には強うあたるべし。 川中で弓引くな。
( 平家物語)
②4 髪もいみじく長くなりなむ。
(更級日記)
③ 昔思ふ草の庵の夜の雨に涙な添へそ山ほととぎす (新古今集・巻三)
(3) (1)
いほり
ウ詠嘆の終助詞