70. <ピストンで封じられた気体〉思考
図1のように,摩擦なしに動くピストンを備
えた容器が鉛直に立っており,その中に単原子
分子の理想気体が閉じこめられている。容器は
断面積Sの部分と断面積 2S の部分からなって
いる。ピストンの質量は無視できるが,その上
に一様な密度の液体がたまっており,つりあい
が保たれている。 気体はヒーターを用いて加熱
することができ,気体と容器壁およびピストン
との間の熱の移動は無視できる。
真空
真空
真空
2S
S
2
12
液体
液体
h
2
液体 ピストン
気体
h+x 気体
h
気体
2
ヒーター
図 1
図2
図3
また,気体の重さ, ヒーターの体積, 液体と容器壁との摩擦や液体の蒸発は無視でき,液体
より上の部分は圧力0の真空とする。 重力加速度の大きさをgとする。 次の問いに答えよ。
〔A〕 まず,気体、液体ともに断面積Sの部分にあるときを考える。 このときの液体部分の
高さは今である。
2
h
(1)初め,気体部分の高さは12,圧力はP。であった。液体の密度を求めよ。
(2) 気体を加熱して,気体部分の高さを1からんまでゆっくりと増加させた(図2)。この
間に気体がした仕事を求めよ。
(3)この間に気体が吸収した熱量を求めよ。
〔B〕 気体部分の高さがんのとき, 液体の表面は断面積 2Sの部分との境界にあった(図2)。
このときの気体の温度は T であった。 さらに, ゆっくりと気体を加熱して, 気体部分の
高さがん+x となった場合について考える (図3)。
1 x>0では,液体部分の高さが小さくなることにより, 気体の圧力が減少した。 気体の
圧力Pを, xを含んだ式で表せ。
(2)x>0では,加熱しているにもかかわらず,気体の温度はTより下がった。 気体の温
度Tを x を含んだ式で表せ。
気体部分の高さがんからん+xに変化する間に, 気体がした仕事 W を求めよ。
④ 気体部分の高さがある高さん+X に達すると, ピストンをさらに上昇させるために必
V要な熱量が0になり, xがXをこえるとピストンは一気に浮上してしまった。Xを求
めよ。
[11 東京大〕