6・4 金属の多形
多形: 固体状態の相転移
大気圧 " 298 K で金属の構造を考えるのが一般に便利
であるが, このよ うな条件でみられる構造がすべてではな
い、温度と圧力が変化すると金属の構造が変化する場合があ
り、 それらの結晶形 (相) をその金属の多形 (polymorph)
という. たとえば, Sc は 1610K でhcp 格子 (ov-Sc) から
Dcc 格子 (B-Sc) に可逆的に転移する. 2 回以上の相転移を
起こす金属もある. 大気圧下983KでMnはo-Mnから
B-Mn に 転移し, 1352KでB-Mnからy-Mn に, 1416 K
で7-Mn から o-Mn に転移するoc-Mn は複雑な格子をも
つが (前述), B-Mn は十二配位の 2 種類の Mn が存在する
」 やや単純な構造を有し, y-Mn はひずんだccp 格子,c-Mn
格子をもつ. 高い温度で形成される層は低温に焼入れ
引構造を保持しながら急冷) できる場合もあり,
でをの構造を決定することができる. 熱化学データか
| 較価の異なる多形問のエネルギー差は通常非常に小さい
ことがわかる.