図①
(6)
学校のマラソン大会で、あなたが十位に
入ったとしよう。 あなたの、前回のマラソン
大会での結果は、五位だったとする。 順位が
下がったあなたは、こう言うだろう。
「前回より、五位も下がってしまいました。」
しかし、先生はこう言うかもしれない。
「でも、三十秒もタイムがちぢまっています
よ。」
このように、同じ出来事でも、何を大事と
思うかによって、発信する内容がずいぶんち
これは、学校や家庭での会話だけて起こる
ことではない。わたしたちは、テレビやイン
だん
手段で世
ト、新聞な ど、さまざまな
報を得ている。
のこと
タ ーネ ッ
の中の情
こうした手段
「メディア」というが、これらメディアか
ら発信される情報もまた、事実の全ての面を
伝えることはできない。それぞれのメディア
は、大事だと思う側面を切り取って、情報を
伝えているのである。
⑥、図①には、ある図形の
右半分が見えている。あなたは、
「これは、円の右半分だな。」と
思ったのではないだろうか。
①、図②には、ある図形の左
半分が見えている。今度は、「四角図
形の左半分だな。」と思うだろう。
⑥、実はどちらの全体図も
同じ図③の形だとすると、図のや
図から推測した「円」や「四角形」
は、切り取られた情報だけから全体を判断し
たことによる思いこみということになる。
このような思いこみを減らすため、わたし
たちは、あたえられた情報を事実の全てだと
受け止めるのではなく、頭の中心「想像力の
「スイッチ」を入れてみることが大切なのであ
平成二十七年度版 光村図書 国