ナポレオン戦争でスペインがフランスに征服された際に、ラテンアメリカでスペイン植民地が独立運動を始め、ナポレオン戦争後に結成されたヨーロッパ諸国の神聖同盟はフランス革命以前の国際体制を維持するウィーン体制の「正統主義」の原則に基づいて、ラテンアメリカの独立運動を抑え込もうとします。
一方、当時のアメリカは西部開拓時代であり、将来的にラテンアメリカのスペイン植民地を自分の縄張りにしようと狙っていましたから、その独立運動を抑え込まれると動きづらくなります。特にアラスカに領土を持っていたロシアがそのまま南下してカリフォルニアなどに攻め込んでくるとアメリカにとっては脅威ですし、太平洋に出ることもできなくなります。
そこで、アメリカがヨーロッパ大陸に干渉しないのと引き換えに、ヨーロッパ諸国はアメリカ大陸に干渉するなと主張したのがモンロー宣言です。そしてこの宣言をイギリスが支持しました。イギリスの狙いは、スペイン植民地を解放してラテンアメリカを自由な市場とすることで、自国の工業製品を売り込むことでした。
アメリカに加えてカナダに植民地を持っていたイギリスを敵にまわせば勝ち目がないとみた神聖同盟は手を引くことになりました。
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