人民戦線とはざっくり行ってしまえば、左翼の共産主義政党と中道の自由主義政党が連立を組み、右翼のファシズム勢力に対抗しようという試みでした。しかし、そもそも共産主義と自由主義は第二次世界大戦後の冷戦で対立したイデオロギーであり、もとより仲良くなるのは難しい関係です。
一時的にスペインとフランスで人民戦線内閣を樹立することに成功はしたのですが、すぐにスペインで共産主義を警戒する地主や軍部の支持を受けたフランコ将軍によってスペイン内戦が始まり、これに敗れたことでスペインのアサーニャ人民戦線内閣は崩壊します。
一方、フランスではこのスペイン内戦において、同じ人民戦線であるアサーニャ政権を支援するかしないかで政権内で対立してしまいました。共産主義グループが支援を主張する一方で、自由主義グループは慎重だったのです。結局、これが原因でブルム人民戦線内閣が崩壊してしまいました。
簡単にまとめると、スペインの人民戦線が失敗したのは「スペイン内戦に負けたから」 フランスの人民戦線が失敗したのは「人民戦線内部で意見が対立してしまったから」 ですね。
