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一つは、ビザンツ帝国、それと一体であるギリシア正教会(東方教会コンスタンティノープル総主教)に対抗するため。西ローマ帝国の皇帝は長い間空席だった(実際女帝がいたが、僭称として認められず空位とみなされた)が、カールに戴冠することでローマ教会に政治的なバックアップが生まれる。これでビザンツ皇帝に対抗できるようになった。
カールにとっては西ローマ帝国の皇帝になる＝東ローマ帝国(ビザンツ帝国)と対立することになってしまうためこの戴冠は好ましいものではなかったともされていたが、最近の研究では皇帝就任に意欲的だったというのが定説になっている。これにはいくつもの根拠となる資料がある。
もう一つは、教皇を助けたことへの報償である。戴冠前年(799年)、レオ3世は反対派に襲われ、カールの元へ逃げ込んだことがある。
最後に、西ローマ皇帝に対して教皇権が優位であることを確認する狙いがあった。
これは教皇が皇帝の冠を授けているわけだから、『教皇の方が上』だということを対抗している西ローマ皇帝に示すということ。
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