発展例題4
剛体のつりあい
発展問題 26
粗い床上に,重さW, 高さa, 幅6の直方体が置かれている。
図の点A,Bは,直方体の側面に平行で重心を通る断面の点を表
す。点Aに糸をとりつけ,水平右向きに大きさTの張力で引いた。
はじめ直方体は静止していたが, Tを徐々に大きくすると,やが
て点Bを回転軸として倒れた。次の各問に答えよ。
b
A
T
a
B
(1) 直方体が静止しているとき,直方体が床から受ける垂直抗力の作用点は, 点Bから
左向きにいくらの距離にあるか。
(2) 直方体が回転し始めるのは, Tがいくらをこえたときか。
(3) 床と直方体の間の静止摩擦係数μは、いくらより大きくなければならないか。
6 T
a
W
垂直抗力の作用点は, T=0 のとき
に重力の作用線上にある。Tを大きくすると, 作
用点は徐々に右側にずれていき,やがて底面から
指針
式のを2に代入して,
x=
2
(2) Tを大きくすると,垂直抗力の作用点は右
側にずれる。(1)のxが0になるときの張力を
T,とすると,張力がこれよりも大きくなると
T.
外れたとき,直方体は点Bを回転軸として倒れる。
解説)
(1) 垂直抗力をN, 点
Bからその作用点まで
の距離をx,静止摩擦
力をFとすると,直方
6-
A
b
倒れるので、
b
0=
2
a
W
T=,
-1
2a
T
NA
(3) 直方体にはたらく水平方向の力のつりあい
から、
直方体がすべらないためには,
これに式0,3を代入して,
これから,TがμWをこえると直方体はすべ
り始める。直方体はすべる前に倒れるので,
a
F=T …3
F<μN
体にはたらく力は図の
ようになる。鉛直方向
の力のつりあいから,
B
TSμW
W
b
2
N=W …0
b
b
点Bのまわりの力のモーメントのつりあいか
T,<uW
-W<μW
2a
2a
b
ら, W-- Ta-Nx=0 …@
2