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第1章プロローグ
夜中に目が覚めた。月がきれいな,,,静かで暗い廊下~お母さんの声がする。
「美央、来なさい」
いつもとは違うトーン。凍りついたような顔。
なにかがおかしい。なにか、おかしい。そして、悪い予感がする。
「ほら、先生からよ」
お母さんの目は腫れたように赤かった。
手に持っていた受話器を渡される。時刻は午前2時。
「桜井、夜遅くにすまない。まずは、、」
「何も言わずに聞いてくれ」
「同じクラスの立花は知ってるな」

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「立花が交通事故にあって」
「死んだ」

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その瞬間、世界から音がなくなった。
色も景色でさえも。
すすり泣く担任教師の声。
立ちつくす母親。
何もかもがどうでもよくて、死んだように過ぎていく時間。
涙も出なかった。
私はあの時から一度も笑えていない。