不定詞・動名詞と英熟語

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Boojum

Boojum

画像は、Niagara-on-the-Lakeにある、バーナード・ショーの像。

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ノートテキスト

ページ1:

動名詞の成句
動名詞は一般に 「~すること」 を表すが、 以下の熟語では「~さ
れる」という受身的な意味を伴う。
o need -ing~: 〜する (される)必要がある
例. This car needs repairing. (=to be repaired)
「この車は修理する必要がある。」
※理屈上は不定詞の受身が正しいが、 これが歴史上成立していな
かった頃に動名詞で代用された。 buiding(建物; 建てられたも
の)のように-ingは古くは名詞化一般を担う。
o want, require, deserve等でも同様の現象が見られる。
wantの原義は「欠いている」 であり、 for (the) want of ~(~が
無いので)のような熟語に痕跡を残す。
例. This coat wants ironing.
「このコートはアイロンがけの必要がある。

ページ2:

語義の変化を伴うもの
o can't help doing=can't (help) but do
〜せずにはいられない
※以下のように can'tがcan+否定語になる場合に注意
例. No one can help liking a lark.
「誰もヒバリを好きにならざるをえない。」
ここでのhelpは古いavoidの意味の用法。
Cf. It can't be helped. 「それはやむを得ない。」
また、can't but doはラテン語non possum non (not can not)とい
二重否定の訳からで、 can't help but doは双方の混交。
○ used to do~: 以前は~したものだ
※useには習慣や慣れの意味もあり、これに連なる動詞が不定詞
を取ったもの。 また、 be used to doing (~するのに慣れている)
は、 use O to~ (0を~に慣れさせる)という表現の受身から。
Cf. Use is a second nature. 「習慣は第二の天性である。」

ページ3:

Worthの語法
次の表現も用法に注意が必要で、 目的語が落ちた形になる。
o be worth doing〜 〜する価値がある
例. This poem is well worth learning by heart.
「この詩は暗唱する価値が十分ある。」
※ need -ing型の受身的な用法に類する
○ worth (価値ある) の後には、 普通名詞も取れる。
例. It's not always worth the risk to know why.
「何故か知るのは必ずしも危険を犯す価値はない。」
例. Kyoto is worth a visit. (=Kyoto is worth visiting)
「京都は訪れる価値がある。」
○ この名詞部分に名詞句 (one's) whileを置くことも出来る。
例. He will make it worth your while.
「彼は君に無駄な骨折りはさせないだろう。」

ページ4:

Worthの語法
worthは時に、while を伴って次のような構文を取る (やや堅い)。
○ It is worth while doing~: 〜する価値がある
例. It is worth while reading this book.
「この本は読む価値がある。 」
※doingの代わりにto 不定詞を伴うこともある
whileは省略が可能。 また、 worth と while は縮約を受けること
があり、全体は更に仮主語構文的な様相を成す。
例. It is worthwhile visiting Kyoto.
(=It is worth visiting
Kyoto)
「京都は訪れる価値がある。 」
※Kyoto is worth while visitingは不可。
○ 縮約された worthwhileは一語で形容詞として振舞う。
例. These last three years have been worthwhile.
「この3年間は有意義だった。」

ページ5:

やや難しい用例
Perhaps it is this assumption which has
led to the difficulty these disciplines
have had accounting for phenomena
such as financial bubbles, political
movements, mass panics and technology
fads.
(筑波大2015年)

ページ6:

「財政トラブル、 政治的動向、 大衆パニック、そし
てテクノロジーの流行のような現象をこれらの研究
領域が説明する際に抱いてきた困難に繋がったのは
おそらくこの仮定である。」
o it is this assumption which...←強調構文
○ difficulty (these disciplines have had o
accounting for...)
関係詞節で以下の熟語中のdifficultyが抜けた形。
have difficulty (in) doing~: 〜するのが困難だ
o account for ~:~を占める、 〜の原因となる (要因に
占める)、~を説明する
※ac(~へ)+count (数える)

ページ7:

その他、動名詞の成句
o There is no -ing 〜することは出来ない
例. There is no telling whether he will win or not.
「彼が勝つかどうか何とも言えない(分からない)。」
※「分からない」ならno knowingも文法的だが、こちらの方
が自然
o It is (of) no use doing~~しても無駄だ
(=There is no use (in) doing 〜)
(諺) It's no use crying over spilt milk.
「こぼれたミルクを嘆くのは無駄だ (覆水盆に返らず)。」
※of+抽象名詞が 「その性質を有する」 という形容詞 (useful) と
して働く。 例外的に動名詞が主語構文を取ったもの。
o in so doing: そうする時に、 そうすることで
※二番目の意味はby so doing (doing so) でも表される。

ページ8:

動名詞の分類
動名詞は名詞らしさの程度に応じて、 動詞的動名詞と名詞的動名詞
に分かれる。
動詞的動名詞は以下のような特徴を持つ一般的な動名詞で、「真の
「動名詞」 と言われる。
○ 冠詞、 限定詞をとらない。
例. His(×The) swimming in the pond was a mistake.
「彼が池で泳いだのは間違いだった。」
○ 略式体で目的格を意味上の主語にとる
例.She was angry at Lina trying to lie to her.
「彼女はリーナが嘘をつこうとしたので怒った。」
○完了形、受動形がある
例. I don't like being asked to make a speech.
「私はスピーチを頼まれるのが嫌いだ。」

ページ9:

動名詞の分類
名詞的動名詞の特徴は次の通り。
○ 冠詞、限定詞をとる(あるいは複数形)
例. I hate all this arguing.
「私はこのような議論が全て嫌いだ。」
○ 目的語要素をofで補う、 また副詞由来形容詞を取れる
例1. I don't approve of his driving of the car.
「私は彼が車を運転するのに賛成しない。」
例2. His careless driving irritates me.
「彼の乱暴な運転に私は苛々させられる。」
○ 動作名詞しかなれない
例. His writing(xhaving) of a novel surprised us.
「彼が小説を書いたのには驚いた。」
※動詞的、名詞的双方の混合型も存在する

ページ10:

動名詞の時制
○ 単純動名詞は述語動詞と同時、 または未来を表す。
例1.I am proud of my son being a teacher.
「私は息子が教師であることが誇りだ。」
例2. I am sure of John winning the race.
「私はジョンがレースで優勝することを確信している。」
○但しforget, remember, admitなど、 同時ではなく以前の事件を
表す事態の方が自然な場合、 過去の事態でも単純動名詞を用い
ることが多い。
例. He admitted taking the money.
「彼はその金を盗ったことを認めた。」
(=He admitted that he took the money.)

ページ11:

動名詞と不定詞
○一般に、 to不定詞は方向の意味から未来志向、 -ingは進行形
とも重なり 「今ある」ことから完了志向とされる。
例1. Knowing him well is loving him.
例2. To know him well is to love him.
※例1.では知っていることは愛している証拠だという意味に、
例2.では知ることから愛に至るという意味になる。
動詞の意味系統ごとに形を見ていく
○ 「やめる」系の動詞+ -ing
stop, finish, quit など。 但し ceaseは不定詞も動名詞もとれ
る。
例. She never ceased to amaze me.
「彼女は決して私を驚かせるのをやめなかった。」

ページ12:

動名詞と不定詞
「避ける」系の動詞+ -ing
avoid, mind, escape, miss, delayなど
例. Alice avoided answering the delicate question.
「アリスはその微妙な問題に答えることを避けた。」
○ 事実志向的動詞+ -ing
deny, admit, forgiveなど
151]. He denied murdering a woman at a remote picnic spot.
「彼は人里離れたピクニック場で、 ある女性を殺害したこ
とを認めた。」
。 一方、 未来志向の動詞はto不定詞をとりやすい。
例. She decided to put off her departure.
「彼女は出発を延期することに決めた。」

ページ13:

動名詞と不定詞
○ 意味は未来志向的だが-ingをとる動詞
consider, recommend, advise, suggest, imagine, fancy
例. He considered resigning.
「彼は辞任することを考慮した。」
※但し、recommend, advise, suggestは一般に他人に向けたも
のという共通点が見られる
o start/beginはどちらも可能だが、 「可能性」 と「実行」で
違いが出る場合もある。
例1. He started to speak, but stopped because she objected.
「彼は口を切ろうとしたが、 彼女が反対したのでやめた。」
例2. He started speaking, and kept on for more than an hour.
「彼は話し始め、 そして一時間以上話し続けた。」
※また、 begin/startが進行形の場合、 to不定詞が好まれる

ページ14:

動名詞と不定詞
○ 過去時制で後に続く動名詞や不定詞の内容が真であること
を要求する動詞を、 「含意動詞」と呼ぶ。
admit, enjoy, miss, finish, practice, endureなど
例. I enjoy working for this company.
「私はこの会社で働くのが楽しい。」
※含意動詞を事実志向性の指標とすることも出来るが、 bother,
manageなどは不定詞をとる
○ 含意と関連して、 日英語では動詞句が結果を含意するかで
一定の差が見られる。
英語の I burned it. という文では、物が燃えたという結果を
伴う為、 but it didn't burnとは続けられない。
例. × I burned it, but it didn't burn.
「燃やしたけど、 燃えなかった。」
※tried to burn などとする必要がある

ページ15:

やや難しい用例
1. It is in studying as in eating; he who does it
gets the benefits, and not he who sees it done.
2. In fact there are some experts who say there
are physiological and psychological reasons
that make such slim women better candidates
for space travel than any shape of man. The
plump well-rounded girl reportedly has too
much tissue to nourish.
(お茶の水女子大)

ページ16:

動名詞の意味上の主語
動名詞の意味上の主語は所有格が正式、目的格が略式だが、他に
も文法上の要求が異なる。
○ 所有格は「助動詞+主語」 の主語に生起できる
例. Did John's(xJohn) beating his wife surprise you?
「ジョンが妻を殴ったことに驚きましたか?」
○ 所有格は強調構文の焦点に来れる
例. It was John's(xJohn) beating his wife that surprised you.
「あなたを驚かせたのは、 ジョンが妻を殴ったことだった。」
○ 所有格の場合、 等位接続されると動詞の単複は複数
151]. John's beating his wife and Bill's kissing a gorilla were
terrifying.
「ジョンが妻を殴ったことと、 ビルがゴリラにキスしたことは、
恐ろしい」
(=John beating his wife and Bill kissing a gorilla was...)

ページ17:

動名詞の意味上の主語
○ 目的格の場合は動名詞句内の疑問詞の移動を許す
例. Who did you imagine [John(xJohn's) kissing ¢]?
「ジョンが誰をキスしたと思いますか。」
○ 所有格の場合は話題化出来る
例.Bill's kissing a gorilla I can't imagine.
「ビルがゴリラにキスしたなんて、私は想像出来ない。」
o admire, defendなど目的語に名詞しかとらない動詞は、所有格
しかとれない
例. We admired John's (xJohn) saving the boy from drowning.
「私たちは少年が溺れるのをジョンが救ったのに感心した。」
以上より、所有格+動名詞は名詞により近く、目的格+動名詞は節
に近い性質を持っていると考えられる。

ページ18:

OF句+TO不定詞
一部の形容詞(人の性質を表すもの)は、 不定詞の意味上の主語にof
句をとり、例のような構文を形成する。
o nice, kind, careless, absurd, brave, crazyなど
例. It was brave of him to go there alone.
「一人でそこに行くなんて彼は勇気がある。」
※意味上の主語をof句で表すのは古い受動態に通じ、 be afraid ofに
残る。That's nice of you. 等の例から仮主語でなく状況のitとする
見方もある。
○語によってはof/forどちらも可能である。
例1. It was good of you to say so.
「そう仰ってくれてあなたは良い人だ。」
例2. It was good for you to learn mathematics.
「あなたが数学を学ぶのは良いことだ。」
※但し例2では人の性質というより行為の良し悪しに言及している。

ページ19:

原形不定詞
○ 不定詞の用法の一種で、動詞原形のまま用いられるものを原形
不定詞と呼ぶ。
○ 現代英語では、 SVOCの文型での用法が代表的。
例. We heard something fall onto the floor with a thud.
「何かがドスンと落ちる音が聞こえた。」
※Something was heard to fall onto the floor with a thud. のよう
に、受動態ではtoを伴う
○ 助動詞が原形を伴うのは、 元々それが本動詞+原形不定詞で
あったことによる。
例. May I help you?
「お手伝いしましょうか?」
※現代英語でもneed が Need I do the washing up? のように助動
詞化する過程に類例を見出すことが出来る。 Have you any
money? のように疑問文は元々本動詞を前置した。

ページ20:

やや難しい用例
When it is a foregone conclusion that the only
thing that will be, or can be, is the thing that
has been, every phenomenon which refuses to
adapt itself to that self-evident formula will be
doubted or ignored; and, if it persists in
trusting itself as an obstinate fact, it must be
manipulated somehow till it fits in with the
old formula.
(Pruitt)

ページ21:

訳「将来起こりそうな、或いは起こる可能性のある唯一のもの
がこれまで起こってきたものであるということが必然的結論
である場合、その自明の法則に適合しないあらゆる現象は疑
われたり無視される。 そして、仮にそれが動かし難い事実と
して引き続き表に出てこようとする場合には、それが従来か
らある法則に適合するまで、 どうにかして手を加えなければ
ならなくなるのである。」
o it is a foregone conclusion [that the only thing ...been]
仮主語構文
o the only thing (that will be...) is the thing (that has been)
that節内の構造はSVC。
○ fits in with は adapt itself toの言い換え
Cf. ラテン語由来で似た語形だがadopt (採用する)はoptare (選ぶ)
に由来し、opt (選ぶ), option と同根。 一方、 adapt(適合させ
る)はaptus (馴染んだ)に由来し、 adapter (アダプター), apt(適
切な), aptitude(才能)と同根。

ページ22:

1 「学問をするのは食事をするのと同様。 利益を得るのはそれ
をする人で、人のするのを見ている人ではない。」
o It is in
~ as in...(~は...のごとし)
このitは状況を指し、 in ~における状況はas以降のようだとい
う意味。 inがwithの場合もある。
(=As it is in/with〜, so it is in/with...)
o he who does it
このheは古い用法で、 someoneの意味。
訳2 「事実、 このようなほっそりした女性の方がどんな体格の男
性よりも宇宙旅行には適任者だとする生理的、 心理的理由が
あるという専門家もいる。 報ずるところでは丸々太った女子
には養わねばならぬ筋肉組織が多すぎるのだ。」
o has too much tissue to nourish
ここは向かない理由として 「養うには多すぎる」 とするのが
ベターで、 too... to ~ の公式 (... 過ぎて~出来ない)は少しズレる。

ページ23:

不定詞に付くtoの省略
○ 使役動詞と似ているが、 help 0 to do (Oが~するのを手伝う)で
はtoが省略可能。
例. This book will help us (to) understand more about
psychology.
「この本は我々が心理学について理解を深める役に立つだろ
う。」
※Money makes the mare (to) go. (地獄のさたも金次第)という諺
があり、 toを入れるのは古い構文の名残り
○ all S didやwhat S do が主語の時、 補語を導くtoが省略できる。
例. What a fire-door does is (to) delay the spread of fire.
「防火扉に出来るのは、 火事の広がりを遅らせるだけだ。」
※toの省略はis/was の前にdo/did が来ることが条件
Cf. All I wanted was to help him.

ページ24:

不定詞に付くtoの省略
SVO to be をとる動詞でも、 to beの省略頻度には差がある。
○ よく省略される: admit, assume, consider, find, imagine.
prove, show, suppose, think, ...
○ あまり省略されない: believe, conclude, deny, discover, guess,
know, suspect, understand,
...
例. I believe his word to be true.
「私は彼の言葉が真実だと信じます。」
※意味の違いに注意すべき場合もある。 Iimagined myself
severely ill では 「自分が病気だと想像してみた」、...myself
to be severely ill だと 「重病だと思い込んでいた」 となる。
一般に、ストレートな言語表現はより直接的な影響を表し、遠
回しな言い回しは間接的な影響が意図されやすい。
例えば、 He commanded the army to advance. だと現地で直接命
令しているようだが、 that節ではその限りではない。 beak the
vaseとcause the vase to breakや、日本語の「殺す」と「死な
せる」の違いも一考。

ページ25:

let~goとlet go of ~
o letを用いた使役文は次のような倒置を伴うことがある。
例. She let go my hand.(=let my hand go)
「彼女は私の手を放した。」
これに関連して、以下の構文を紹介する
o let go of ~: ~を放す
例. Let go of the door handle, please!
「ドアハンドルを放してください!」
これは以下のような表現のone's holdの省略と考えられる
Cf. ...but you never really mean to let go your hold of them.
(Bernard Shaw)
「...でも、あなたはその人達を手放すつもりは毛頭ないんだわ。」
※take hold ofのような軽動詞の用法とも類似

ページ26:

SVOCの意味関係
○ 意味関係に注目すると、 第五文型には他文型との重なりがある。
○ 以下は分類上SVOCだが、 意味的には 「OがCである」 という事態
を目的語に取るという、 SVO的関係を見出すことが出来る。
例. I thought Bill to be a genius.
「私はビルのことを天才だと思った。」
(=I thought that Bill was a genius.)
○ 以下では「Oに〜ことを」というSVOO的な枠組みが見てとれる。
例. I advised Mary to wait.
「私はメアリーに待つよう忠告した。」
※以下は、不定詞の意味上主語がmeで無くhe である点で、 上と異
なって見える。 ここでは理論上、 見えない意味上の主語代名詞が
toの前にあり、 that節の場合と同様の意味構造を取ると考える。
Cf. He promised me [ never to show up late again].
「彼はもう二度と遅刻しないと約束した。」
(=He promised me [that he would never show up late again].

ページ27:

やや難しい用例
-
Ever since men began to reflect deeply upon
human life, they have sought various ways of
escape: in religion, in philosophy, in poetry, in
history all of which attempt to give eternal
value to what is transient. ...The same impulse.
carried further causes kings to engrave their
victories on monuments of stone, poets to relate
old sorrows in words whose beauty (they hope)
will make them immortal, and philosophers to
invent systems providing that time is no more
than illusion.
(Bertrand Russell)

ページ28:

訳 「人類が人生について深い考察をめぐらし始めて以後、 人類は
様々な逃避方法を探してきた。 それは、宗教、 哲学、 詩、 歴史
においてであり、これらの全てが、 一時的なものに永遠の価値
を与えようと試みている。... 同様の衝動がいっそう強くなると
.
諸国の王は戦勝記念の石碑を彫らせ、 詩人たちはその悲話を
不朽のものとするような美しい言葉でそれを語り、 哲学者は時
が単なる幻影にすぎないと立証する体系を発明する。 J
o all of which attempt...
一見、関係形容詞にも見えるが、 前置詞の目的語の関代+動詞。
o impulse (carried further) causes kings to engrave...
cause O to doの 「O to do」 部分が三つ並んだもの。
ono more than~ : ~に過ぎない
補語のmore(以上のもの)に対し、「差がゼロ」を表すnoが付加
して 「~に過ぎない」 となる。
Cf. I could wait for him no longer.
「これ以上彼を待てなかった。」

ページ29:

やや難しい用例
In the context of the evolution of sculpture,
the Little Dancer is a groundbreaking work of
art. The liberating idea that any medium or
technique necessary to convey the desired
effect is fair game may be traced back to this
sculpture. Degas represented a working-class
subject, though not an everyday one, with both
reality and compassion, but without
moralizing. In so doing, he captured with
brilliant simplicity the difficult tension
between art and life.
(早稲田大学2022年転部問題)

ページ30:

訳 「彫刻の進化という文脈において、 「小さな踊り子」 は画期的な芸術
作品である。 目的の効果を伝えるのに必要な、 どんな媒体や技法でも格
好の的になるという開放的な考えは、この彫刻に遡るのかもしれない。
ドガは、労働者階級の人々の主題を、日常的なものではないものの、現
実主義と思いやりをもって、 しかし道徳的にはならずに表現した。 そう
する中で、 彼は芸術と生活の間にある難しい緊張関係を、 見事なまでの
シンプルさで以て捉えたのだ。」
(モデルの人物は仕立屋と洗濯屋の娘で、 オペラ座バレリーナの典型的
な労働者階級出身。 舞台を小刻みに動き回ることで 「オペラのネズミ」
と呼ばれたが、 汚れた、貧しいという蔑称でもある。)
○ [any medium or technique (necessary to convey...) is fair game]
o he captured < with brilliant simplicity> the difficult tension
Cf. with ease=easilyのようにwith+抽象名詞は副詞的に振る舞う例もあ
るが、 easeを関係詞化した以下に注意。
例. The ease (with which she solved the difficult problem) surprised
the teacher. (中央大)
「彼女が難問を容易く解いたので先生は驚いた。」
(直訳: 彼女が難問を解く容易さが先生を驚かせた。)

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