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古文

宇治拾遺物語【小野篁、広才のこと】

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琥珀☪︎*

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あらすじ:
宮中に「無悪善」と書かれた立て札が立てられた
ことがありました。
どう読むのかを嵯峨天皇に問われた小野篁が
しぶしぶ「さがなくてよからん」と読んで、
天皇を呪っている内容だということを伝えると、
天皇はこれを読むことが出来る小野篁こそ、
書いた犯人ではないかと疑いました。

そこで小野篁を試すために、天皇が「子」を
十二字書き連ねたものを読めと命じると、
小野篁は「猫の子の子猫,獅子の子の子獅子」
と読み解いたので、天皇は小野篁の才能に
感心して、小野篁をとがめながった...という話。

オレンジ:用言(動詞,形容詞,形容動詞)
ピンク:助動詞
赤:助詞etc...
青:敬語表現,音便,係り結び

ノートテキスト

ページ1:

訳 今となっては昔のことだが、小野望という
がいらっしゃった.
八行四段
係助詞
サ行変格
「おはす連用形
過去の助動詞
終止形
の のたかむら ~
今は
昔、小野管
格助詞「言ふ」連体形
と いふ
人おはし
尊敬の本動詞
作者→小野省
訳嵯峨天皇の御在位の時に、
格助詞
格助詞
みかど
嵯峨の帝の
御時に、
10 宮中に立て札を立
ったが、
行下二段
過去の助動詞
の助動詞
格助詞
格助詞
接続助詞
「立つ」徳用形「たり連用形けり
体形
だいり
内裏に
札を
立て
たり
ける
に
(その立て札には)「無悪善」と書いてあった
存続の助動詞 過去の助動詞
格助詞「書く」連用形「たり連用形けり」終止形
たり
け:
無悪善と 書き
天皇は、篁に、「読め、」とおっしゃったので、
草の助動詞 完)の助動詞
マ行四段
サ行下二段
格助詞「読む」命令形
格助詞
篁に、 「読め。
と
仰せ
の助動詞
「仰す未然形「うる」連用形たり連形作り」已然形 接続助詞
たり
けれ
ば、
られ
尊敬の本動詞 二重敬語
作者→帝(天皇)作者→帝(天皇)
訳 「読むことは読みま
「読む」連用形 「読む連用形「候ふ連用形
「ぬ」未然形
左の助動詞 意志の助動詞
「む」終止形
「読み
は読み
候ひ
丁寧の補助動詞
小野堂→帝(天皇)
しかし恐れ多いことでございますので、
の部
接続助詞 八行四段
「なり」連用形
「已然形
接続助詞
されど恐れに
喉へ
丁寧の本動詞
小野館→帝(天皇)
ば

ページ2:

No.
Date
訳
G
とても申し上げることは
八四
四
「申す」連用形
え申し
未然形
候は
丁寧の補助動詞
小野
→帝(天皇)
きますまい」と申し上げたところ、
意
サ行変格
過去の
格助詞
接続助詞
奏
し
ば
謙譲の本動詞
作者→帝(天皇)
「構わないから申し上げよ」と何度もおっしゃったので、
けれ
二段
歌の助動詞
格助詞
「申す」命令形
「す」未然形
「うる」
形
の助動詞
り已然形
接続助詞
「ただ申せ
と
たびたび仰せ
謙譲の本動詞
られ
二重敬語
けれ
ば、
帝(天皇)→帝(天皇)
(訳)
尊敬の本動詞
作者→帝(天皇)
作者→帝(天皇)
訳さがなくてよからん(=嵯峨天皇がいなければ良いだろう
「なし」連用形
形容詞・活用
接続助詞
形容詞・7活用推量の助動詞
「よし」未然形「む」終止形
さがなく
よから
ん
と申しておりますよ
サ行四段
格助詞
八
四段
「申す連用形 接続助詞
係助詞
と
申し
謙譲の本動詞
小野
丁寧の本動詞
→帝(天皇)
小野道→帝(天皇)
「候ふ」終止形
候ふ
訳ですから天皇を 呪い申し上げているのでごさいます。
定の助動詞
八四
格助詞
八
サ行下二段
「ふ」用形参らす適用形
呪ひ 参らせ
接続助詞「ふ」連体形なり終止形
されば君を
候
なり
謙譲の補助動詞
小野望→帝(天皇)
丁寧の本動詞
小野→帝(天皇)
と申し上げたところ、
四段
過去の助動詞
格助詞
「申す
申し
けり」已然形
接続助詞
と
けれ
ば、
謙の本動詞
作者→帝(天皇)

ページ3:

(訳)
(訳)
「これ(='無悪善」)は、おまえを除いては、
係助詞
四段 接続助詞 係助詞
「放?連用形
これは、
おのれ放ち
は
誰が書こうか、いや、誰も書かない(=おまえが書いたに違いない)」
たれか
ユ
係助詞 カ行四段 推量の助動詞
(反語)「書く」未然形「む」連体形
書か
佯り結び
とおっしゃったので、
格助詞
の助動詞
その助動詞
り已然形
と
「仰す」未然形
仰せ
「うる」連用形
られ
接続助詞
ば、
けれ
尊敬の本動詞
二重敬語
作者→帝(天皇)
作者→帝(天皇)
「それだから(=私が書いたとおっしゃると思ったからこそ
係助詞
(強調)
「されば、 こそ
申し上げますまいと
訳
サ行四段
「申す」連用形
申し
「ふ」未然形
候は
「終止形
格助詞佯助詞
じ
と
は
謙譲の本動詞
丁寧の補助動詞
小野→帝(天皇)
小野篁→帝(天皇)
訳 申し上げたのでございます」と申し上げると、
サ行四段
八行四段
接続助詞
「申す」連用形
申し
完了の助動詞
「已然形
格助詞
て
「候ふ」連用形
候ひ
サ行四段
「申す」連体形
接続助詞
つれ
と
申す
に
謙譲の本動詞
丁寧の本動詞
小野台→帝(天皇)
小野
→帝(天皇)
係り結
Date

ページ4:

(訳)
No.
Date.
訳 天皇は、「それでは、何でも書いてあるようなものは、
確かに読めるか」
存続の助動詞 田の助動詞
係助詞「書く」連用形「たり、未然形」連
何も 書き
係助詞
たら
ものは
強
の助動詞
助詞
「読む」連用形「?」未然形
の助動詞
「む」終止形
ん
(疑問)
読み
訳とおっしゃったので、
二段
格助詞「仰す未然形
尊敬の助動詞
「うる」連用形
過去の助動詞
接続助詞
と
仰せ
られ
けれ
ば
尊敬の本動詞
二重敬語
作者→帝(天皇) 作者→帝(天白)
「何であっても確かに読みましょう」
定の助動詞
「なり」用形
何に
八行四段
接続助詞 係助詞「読む」連用形「候ふ連用形
の助動詞
も
読み
候ひ
「ぬ未然形
な
穹の補助動詞
小野篁→帝(天皇)
と申し上げたところ、カタカ 「子」の文字を、
格助詞
過去の助動詞
「申す連用形けり」已然形
申し
けれ
接続助詞
格助詞
格助詞
と
片仮名の
文字を
訳 十二お書きになって、
「書く」未然形「す、連用形
尊敬の助動詞
八行四段
接続助詞
十二書か
せ
「たまふ」連用形
たまひ
二重敬語
尊敬の補助動詞
作者→帝(天皇)
作者→帝(天皇王)
の助動詞
「む」終止形

ページ5:

(訳)
(訳)
(訳)
R
読め」とおっしゃったので、
読む 命令形
格助詞
尊堂の助動詞
「うる専用
過去の助動詞
「 恋
接続助詞
読め。 と
「仰す未然形
仰せ
けれ
ば
尊敬の本動詞 二重敬語
作者→帝(天皇)作者→帝(天皇)
猫の子の子猫、獅子の子の子獅子」
格助詞
格助詞
格助詞
格助詞
「ねこの
子の ここ
子
こじし。
」
と読んだところ、
マ行四段
格助詞
完了の助動詞 過去の助動詞
「読む」用形”たり、連用形
リ已然形
接続助詞
読み
たり
天皇はにっこりお笑いになって、
マ行四段
尊敬の助動詞 一八四段
接続助詞
「ほほえむ」未然形
す連用形
「たま小連用形
たま
帝ほほゑま
せ
二重敬語
作者→帝(天皇)
尊敬の補助動詞
作者→帝(天皇)
おとがめもなく終わってしまった。
形容詞・活用
行四段
完の助動詞
過去の助動詞
接続助詞
「事なし」使用形
「り」終止形
「やむ」連用形「ぬ」専用形
に
事な
やみ
けり

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