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いので小骨当<
[三] (証文一内容只味、脱語補充。 仮名遺い 口語訳文学史)
(口語訳〉 三月の未ごどろに, 應の卵を見つけたので, これを十ずつ
時ねる工夫をなんとかしてみ
ようと,手なぐさきみに生のままの棚糸を長く結んで (久を)一つ結びつけ,また次の一つを結びつ
けて。 (十個結びつけて)立ててみると, とても良い具合に重なった。このまま手元に置いておくよ
りはと思って, 九条殿の往子様に差し上げる。卵の花を添えた。和歌は添えず, ただ御文の端に。
「この十個積み重ねた卵は。 こんなふうに重なることもあるのでした<
お返事に,
」 とだけ申し上げると, その
あなたを思う私の心にくらべますと, 十個重ねられた卵などものの数ではありません
とあったので, (私からの)お返事,
思いのほどを知らなければ甲斐はあり ませんので, 見せていただきたいものです
の後。 (その卵を)五の宮さまに, 差し上げなさったとのことだ。