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L
今は昔、小野篁といふ人おはしけり。
今となっては音のことだが、小野道という人がいらしゃった。
嵯峨の帝の御時に、内裏に札を立てたりけるに、
嵯峨天皇の御在位のときに、何物かが内変に札を立ったが、
「無悪善」と書きたりけり。
その札には「無悪書」と書いてあった。
帝、篁に、「読め。」
D仰せられたりければ、
虎に「読め。」とおしゃったので愛は
読みは読み候ひなむ。されど、恐れに
「読むことは読みましょう。しかし、恐れ多いことでござ
て候へば、え申し候はじ。」と奏しければ、
いますので、申し上げられません。」と奏上したところ、
「ただ申せ。」と、たびたび仰せられければ、
「かまわないから申せ。」と何度もおしたので
「『さがなくてよからむ』と申して候ふぞ。
「ふなくてよからん」と申しておりますぞ。ですから
されば、君を呪ひ参らせて候ふなり。」と主上を
申しければ、
呪い申し上げているのでございます。」と申し上げたと、3
「これは、おのれ放ちては、誰か書かむ。」
と仰せられければ、
「こんなことはお前を除いては誰が書こうか。いや、
誰も書くはずはない。」とおしゃったので、
「さればこそ、申し候はじとは申して候ひ
つれ。」と申すに、
「それだからこそ、申し上げますまいと申したのです。」
と申し上げると
帝、「さて、何も、書きたらむものは、読みて
むや。」と仰せられければ、
帝は、「それでは何でも文字で書いてあるようなもの
はきっと読めるのか。」とおしゃったので、
「何にても、読み候ひなむ。」と申しければ、
読みましょう。」と申し上げたところ
何で
片仮名の「ね」文字を十二書かせ給たまひて、
片仮名の「ね」という文字を十二おまきになって
「読め。」と仰せられければ、
「読め、」とおっしゃったので、
「ねこの子のこねこ、ししの子のこじし。」
と読んだとこう帝は微笑なさっておとがめもなく?
済んでしまった。
と読みたりければ、帝ほほ笑ませ給ひて、
等なくしてイラには
→
-3
→
No.
Date
1 ①「れ」とあるが、当時は一般にどのようなもの
であったか。また、他の書物で表されていた
「札」の別名を答えよ。
→木の札に書かれた、今の政権に対する
批判を書いたもの。落書
2、③「仰せられたりければ」を品詞分解して
意味も答えよ。
尊敬語
明
完了過去
2、それぞれの品詞の基本形を答えよ。
→ すらる、たり、切り
この文節では、何という技法が使われているか。
→帝と上皇にしか使わない、最高敬語
小野はどのような気持ちか。
札に書いてあることが、嵯峨天皇に対して
良くないことであるから、読みづらく、ためらう
気持ち
4 小野篁は、「無悪書」をどういう意味と
とらえたか。
「さがなくてよからむ」と読み、悪い 質
という意味りっさが」だが、嵯峨天皇のこと
と考え、天皇を呪り言葉ととらえた。
)より、嵯峨天皇は、誰に対する、どのような
気持ちを持っていると分かるか。
「無思善」と読める人は、笑しかいなくて、
落書を立てたのは覚であると考え、
室に対して怒る気持ち。
2
5、「誰か情かむ」を品詞分解して意味も答えよ。
係助詞
書か
夏語
量
を、室はどのように書いて
子子子子子子子子子子子子
ねこのここ麺
⑥でなぜ帝はほほ笑んだのか。
ししのしのこ
子
→絶対に読めないと思っていたものを室が読めた
から。側近である釜ではないと思って安心した
から。笑が読めた今の才能に満足したから。
9

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ていた
対する
解して
ようなもの
⑦とあるが、それはなぜか
小ているか。
。
→夏が何でも読めることが証明されて、
落書を書いたのは優という訳では
ないことが分かったから。
9 本文中の次の敬語について、訳と基本
形、本動詞か補助動詞か、敬語の種類
敬意の方向を書け。
・「おはしていらっしゃる、おはす、尊敬
作者
・「何せおっしゃる、何す、尊敬
作者→帝
「結び」お~なさる、になる、給ふ
尊敬、作者→帝
「奏し申し上げる、奏す謙譲
作者→帝(限定
収語
りか。
に対して
ためらう
申し上げる、申す、謙譲
室 帝
心味と
「参らせ」
お~申し上げる、参らす
謙譲、
帝
糖質
聖のこと
えた。 ◎傍線部「君を呪び参らせて」を品詞
いなくて、
え、
→
分解せよ
-
君
。
動詞、補助動詞
売り参らせて
~です~ます、候ふ、丁寧
嬉し帝