Undergraduate
経営経済学

第2章 価値形成マネジメント

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不健康

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ゼミナールマーケティング入門②

ノートテキスト

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第2章 価値形成のマネジメント
顧客から見た時、企業の価値は、その産出物を購買することによって
得られる便益と、購買に要するコストとの差によって規定される。
→企業が提供する便益とコストの構造は4Pのデザインに影響を受ける。
2-1 製品、サービスとは何か?
製品・サービスは、企業が顧客に提供する「価値の束」ととらえることが
できる。マーケティングにおける、製品・サービスのデザインの基本課題はこの便
益の束をどのように構成するかである。
製品・サービスを顧客が購買する理由から捉えると、
→顧客が抱えている問題を解決する「便益の束」としてデザインされる。
※顧客にとって、認知し、取得し、使用し、廃業するものである。
付加的な構成要素も含めて製品・サービスと捉えることで、
※バンドリング・付加的な構成要素をセットにして販売。
企業が提供しようとしている便益をより包括的に検討し、デザインすることができる。
液体シャンプーのボトル
ワーラーと取りつけサービス
etc
※アンバンドリング・・・別々の製品・サービスとして販売。
2-2 新製品・サービスの開発プロセス
新製品・サービスの開発には、企業内の多くの部門が参加する。新しいアイディアや
技術、情報を具体化し、製品やサービスとして完成させていくためには、製品設計や要
素技術開発、工程設計や生産準備など様々な取り組みが必要となる。

ページ2:

優れた技術を開発することとそれを製品やサービスとして
市場に送り出すこととの間には、大きな隔りがある。
これを埋めるのが…乢
☆新製品開発のためのプロセス☆
STEP1 アイディアの創出
優れたアイディアの候補を多く蓄積し、それらをスクリーニング(複数のアイディアから1番の
アイディアを選ぶプロセス)にかける。
STEP2 製品コンセプトの確立
アイディア・企業が製品・サービスとして提供することが可能な活動、情報等の
候補。
※買い手が製品・サービスを「欲しいと思う理由」とは異なる。
製品コンセプト・・・便益の束としての製品あるいはサービスを内的・外的に一貫
したものとしてデザインするための連絡環の役割を果たす。
STEP 3 技術計画と収益性計画
技術計画…便益の束を製品・サービスとして具体化するための技術的
な裏付けの確立。製品・サービスの基本構造、中核的仕様、林
料、資金、人材の見極め、それらの調達先の検討を行う。
収益性計画…技術計画で設定した仕様から予測される販売価格と販売量、
そして必要となるコストを比較し、収益性を検討する。
STEP4 設計・試作・生産
STEP5 市場導入
<開発プロセスにおける注意点>
1つのプロセスが終了する前に
次のプロセスがはじまるので、
部門間・組織間の情報交換が
欠かせない。
①新製品・サービスの開発プロセスは直線的に進行する訳ではない。
"
ステップは並行的に進行する。
3)
"
プロセスでは、組織的な協働が重要!
"
は、開発能力を蓄積するプロセスでもある。

ページ3:

シーケンシャル
逐次的なプロセス
アイデアの コンセプト
創出
開発
技術・収益性
計画
製品・サービス
設計
要素技術
開発
工程設計と
生産準備
市場導入
コンカレント
並行的なプロセス・情報交換が高密度化、品質・生産効果も高まる。
アイデアの創出
コンセプト開発
見直しが
色戻る時も!
技術・収益性計画
製品・サービス設計
情報交換を十分に行う必要がある。
要素技術開発
工程設計と生産準備
市場導入
並行的なプロセスのほうが、プロセスに要する時間が短い
2-3 アソートメントのデザイン
企業が競争優位を獲得するためには、製品・サービスの開発だけでは不十分である。
あわせて、製品、サービスの優れたラインナップを構成することが欠かせない。この製品
サービスのラインナップの組み合わせをアソートメントという。
アソートメント・製品・サービスのラインナップの組み立て。
新製品・サービスの開発にあたって検討すべき、2つの問題
①新製品・サービスは、自社のアソートメントの中でどのような位置づけか?
②新製品・サービスは、単一アイテムで市場に導入するのか? or 複数アイテムからなる
ラインとして導入するのか?

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ラインの奥行き(アイテム数)
コーヒー系 スペチーノ レース系
(ラインの数・カテゴリーの数)
ラインの広がり
アソートメントに着目することで、個別の製品・サービスを開発するだけでは解決で
きない問題への対応が可能になる。
ex) 多様な顧客への対応、規模の経済性をもたらす、ディラーとの取引を優位に
2-4 価格の役割
価格のデザインの焦点は、製品・サービスの価格を、戦略的に最適な水準に
設定することである。製品・サービスを販売する際には、「安さ」は強力な武器となる。だが
常に低価格を目指すことが最善の結果をもたらすとは限らない。価格の引き下げ
が劇的な売上の増加をもたらすのは需要の価格弾力性が高い時に限定される。
Qなぜ価格をデザインするのか?
A、いかに優れた製品・サービスであっても、適切な価格で提供しなければ、買い手
は購買しようとしない。
+α プロモーションの効果を高めたり、取引条件を改善できる
価格・・・製品・サービスを購入する際に、買い手がその対価として支払う金額。
※価格の「安さ」は製品・サービスの販売を促進するための強力な武器となるが、
「安さの追求は、一定の選択代案の範囲内で行われる」ことに注意が必要。

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④市場浸透価格設定
新製品の導入の際に思い切った低価格を設定し、
市場シェアを一気に獲得しようとするもの。
②経時的ディスカウンティング
新製品導入の際に高価格にし、段階的に引き下げていく。
弾力性低差別化◎の時に採用
に基づいた戦略的価格設定
弾力性高、差別化メの時に採用
需要の価格弾力性・価格の変動に対する需要の反応の度合い。
・低いor非弾戦力的・価格の変動に対して需要がほとんど変化しない。
高い弾力的…価格の変動に対して需要が大きく変化する。
価格
価格弾力性・低
価格弾力性・高
P1
2
販売量
需要の価格弾力性に大きな影響を及ぼすのは
代替的な製品・サービスの有無である。
あとは旅行等)
・時期・シーズンによっても
影響される。
代替品があると値上げ→代替製品へスイッチングになる。逆に値下げで需要を吸収できる。
(2)価格に依拠した価値の推定
価格の品質バロメーター仮説
・製品の効能や機能がわかりにくい場合に、価格の引き上げが需要の増大を
起こすこと。
代理指標
⇒買い手が!価格をよりどころとして製品・サービスの品質や性能を推定している!!
この価格に依拠した価値の推定は、
一定のタイムラグを伴って生じる間接的な効果となる場合が多い。
⇒長期的な影響を持つ。(弾性は短期的)

ページ6:

・ロス・リーダー・顧客を店舗に吸収するために、利益を度外視して安売りを行う
B
2-5
商品のこと。目玉商品。
戦略的な価格デザイン
価格のデザインにあたっては、需要の価格弾力性への対応に加えて、
価格に依拠した価値の推定への対応やマーケティング・ミックスとの連動
などについても考慮しなければならない。製品・サービスの収益水準を高めるた
めには、こうした多面的な配慮が欠かせない。
価格デザインの基本的な枠組み
価格の設定
売上
利益
①需要の価格弾力性
マーケティング・ミックス
②価格に依拠した価値の推定
③マーケティング・ミックスとの連動
(1)需要の価格弾力性
価格
P1
収益
P2
需要曲線
製品1単位あたりコスト
収益
売上額
売上額
販売量
売上額 = 価格×販売量
生産コスト
=製品1単位あたりコスト×販売量
したがって、収益は次のようになる。
収益
=売上額一生産コスト
=(価格一製品1単位あたりコスト)×販売量

ページ7:

(3)マーケティング・ミックスとの連動
(
マーケティング活動には、製品、サービスに対する買い手の評価を構成することで、需要の
量と価格弾力性のあり方に影響を及ぼす効果がある。
ex)流通網を押さえることで代替品の発見を困難にし、需要の価格弾力性を低くする。
☆マーケティング・ミックスと連動した戦略的価格デザイン
①補完的価格設定
本体は低価格だが、消耗品の利幅を厚く設定する。
② 定額制・従量制価格設定
利用毎に課金する従量制(使用頻度の低い人)、使い放題の定額制の料
金プラン(使用頻度の高い人)。
③ゾーン価格設定.
空間的に分断された、異なる条件の場所に製品・サービスを流通させる際の異なる
価格設定のこと。
④イメージ価格設定
類似した製品・サービスに異なるプロモーションや店舗販売、付加的なサービス
よる異なる価格設定をする。
小売業者の販売意欲を高めるためには…
●
・小売りマージンを高める!
・販売実績に応じてリベート(販売報奨金)を後からキックバックする!

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