Undergraduate
数学

有理数を0で割ることが出来ないことの証明

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434

0

アルメシス

アルメシス

ノートテキスト

ページ1:

1
(○で割ってはいけない理由)
算術演算と公理
算術演算とは何か?
No.
Date
小学校で掛け算や割り算を学ぶ際に、以下のことを守るべき
「お約束」として教わりますが、その理屈までは習いません。
(a)で割ってはいけない
(6)マイナスの数を掛けると正負の符号が逆になる
(C)マイナスの数どうしを掛けるとプラスの数になる
そこで今回はその理由を体(field)と呼ばれる概念を用いて
解説します。ただし、本題に入る前の準備として、そもそも「掛け算」
や「割り算」とは何であるか、少し一般的な視点から解説します。
掛け算や割り算は、足し算や引き算などとともに算術演算(arithmetic
operation)と呼ばれます。これら4種類の算術演算を合わせて四則演算
(four arithmetic operations)と呼びます。算術演算とは一般に、「2つの
数に対して1つの数を定める規則」のことです。このことを確認するために、以下に
四則演算の例を挙げます。
足し算(加法):1+2=3
引き算(減法):1-2=-1

ページ2:

かけ算(乗法):1x2=2
割り算(除法):1÷2=量
上の例において、1+2=3は1,2という2つの数に対してるという1つの数を
定めています。また、1-2ニー1は1,2という2つの数に対して-1という1つ
の数を定めています。残りの2つの例についても同様です。4種類の算術演算
それぞれが2つの数に対して定める数は異なりますが、2つの数に対して1つの数
を定めるという点では共通しています。
定義(算術演算)
2つの数に対して1つの数を定める規則を算術実算を呼ぶ。
有理数における算術演算
「2つの数に対して1つの数を定める規則」を算術演算と呼びますが、ここでの
「数」はどのような種類の数でもよいというわけではありません。例えば、
私たちがモノを数えるときに使う数1,2,3,・・・を自然数(natural number)
と呼びますが、試しに、自然数を用いて算術演算を以下のように定義してみましょう。
定義(自然数による算術演算の実義)
2つの自然数に対して1つの自然数を定める規則を算術演算を呼ぶ。
算術演算をこのように定義したとき、先ほど例として挙げた1+2=3という
足し算は算術演算の要件を満たしています。なぜならこれは、1,2という2つの

ページ3:

②
No.
Date
自然数に対してろという自然数を定めているからです。
しかし、引き算に関する例1-2=-1は算術演算としての要件を満たしま
せん。なぜなら、1,2は自然数ですが、それらに対して}成法一が定める数-1
は自然数ではないからです。マイナスの数は自然数ではありません。この例が
示唆するように、自然数どうしの四則演算の結果は自然数であるとは限らない
ため、算術演算の定義を修正する必要があります。
そこで、算術演算の定義を以下のように修正します。
一定義(整数による算術演算の定義)
2つの整数に対して1つの整数を定める規則を算術演算と呼ぶ。
ただし、整数(Integer)とは…3,-2,-1,0,1,2,3,・・・などの数を
指します。任意の自然数は整数でもありますが、整数の中には自然数以外の
数(魚の整数とゼロ)が存在します。いずれにせよ、上の定義を採用するならば、
引き算に関する例1-2=-1もまた算術演算としての要件を満たします。
なぜならこれは、1,2という2つの整数に対して-1という整数を定めているからです。
しかし、割算に関する例1÷2=1/2は算術演算としての要件を満たしていません。
なぜなら、1,2は整数ですが、それらに対して除法÷が定める数量は整数では
ないからです。分数の形で表される数は整数ではありません。この例が示唆するよう
に、整数どうしの四則演算の結果は整数であるとは限らないため、再び算術

ページ4:

演算の定義を修正する必要があります。
そこで、算術演算の定義を以下のように再修正します。
一定義(理数による抹算の定義)
2つの有理数に対して1つの有理数を定める規則を算術演算と呼ぶ。
なお、有理数とは整数a,bを用いてという分数の形で表される数です。
ただし、bは○以外の整数である必要があります。ちなみに、任意の
整数は何理数でもあります。なぜなら、任意の整数はという有理
として表すことができるからです。
さて、この新たな定義のもとでは、割り算に関する例1÷2=1も
また算術演算としての要件を満たしています。なぜならこれは、1,2
という2つの有理数に対してという有理数を定めているからです。一般
に、任意の有理数どうしの四則演算の結果は必ず有理数になります。した
かって、足し算・引き算、掛け算・割り算という四則演算について考える際
には、有理数という数の範囲で考えておけば支障はありません。
命題(有理数と四則換算)
有理数どうしの四則演算の結果は必ず有理数になる。
公理主義の考え方
繰り返しになりますが、「2つの有理数に対して1つの有理数を定める規則
J

ページ5:

(3)
No.
Date
を算術演算と呼びます。足し算・引き算、掛け算・割り算はいずれも
算術演算ですが、これらはどのようなルールを持つ算術演算でしょうか。
ただし、「〇で割ってはいけない」、「マイナスの数を掛けると正負の符号
が逆になる」、「マイナスの数どうしを掛けるとプラスの数になる」などの
お約束もまた掛け算や割り算に関するルールであることに違いはありませ
ん。しかし、これから行おうとしていることは、四則演算を特徴づける「最小
のルール」を定めた上で、それらのルールだけを使って先の「お約束」の根拠
を論理的に説明するということです。
数学では、より少ないルールから多くのことを説明できることを良しとします。
足し算・引き算、掛け算・割り算という算術決算には、それらを特徴
づけるルールがそれぞれ存在します。しかし、そのようなルールは少なければ少ない
ほど良いというのが数学の考え方です。「〇で割ってはいけない」、「マイナスの数を
掛けると正魚の符号が逆になる」、「マイナスの数どうしを掛けるとプラスの数に
なる」などを守るべき「お約束」とみなすことは、これらを算術決算のルール
として定めることを意味します。しかし、これらをあらかじめ算術演算のルールに
含めるのではなく、よりシンプルで常識に適ったルールを出発点としてこれら
を説明できるのであれば、それはより望ましいのです。四則演算を特徴づける
最小限のシンプルなルールを無術算の公理(axtoms of arithmetic

ページ6:

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ページ7:

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ページ8:

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ページ10:

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ページ11:

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b+((-b)+a)
Date
を得ます。さらに公理 (A2)を用いてこれを実行すると、
(b+(-b))+a
D
を得ます。公理(A4)より6+(-b)=0が成り立つため、これを上の求しか入すると、
ota
を得ます。公理(A1),(A3)を用いてこれをさらに変形すると、
a
となります。つまり、b+xはaと一致するため、目標が達成されました。
続いて、方程式b+xzaの解が一意的であることを示します。そこで、
2つの異なる有理数ながともにbtx=aの解であるものと仮定して矛盾を
導きます。仮定より、
b+y=a
b+y=a
がともに成り立つため、
b+ y = b + y²
を得ます。すると、先に示した題よりg=yとなりますが、これはyキツである
ことと分します。したがってb+x=aの解が一意的であることが示されました。
長々とこの命題を証明してきた理由は、この命題を用いて加法+から一

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ページ14:

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ページ15:

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ページ16:

が成り立ちます。
乗法逆元の存在
乗法Xに関する4つ目の公理は、○とは異なるそれぞれの有理数のに
対して、それに掛けると結果が1になるような有理数が存在すると
いうものです。具体的には、それば逆数の2=1/2に他なりません。言い
換えると、Oとは異なるそれぞれの有理数のに対して、それに掛けると結果
が1になるような有理数としての逆数a/conを定義するということ
です。 このような文脈のもとでは、ひとは異なる有理数の数
のことをaの乗法逆元(multiple inverse element)と呼びます。
公理(A8)
Dとは異なるそれぞれの有理数aに対して、
axa2=1
を満たす有理数Q=が存在する。
この公理のもとでは、例えば、有理数に対して、
2×21=1
を満たす逆数22=1/3が存在します。
ユ
2
a
乗法人に関する公理は以上ですべてです。有理数どうしの乗法×は、
以上の4つの公理にしたがうものとして定義されます。

ページ17:

9
除法の定義
No.
Date
加法士から減法一を間接的に定義したのと同様に、乗法×から
除法÷を間接的に定義します。乗法に関する(A5)から(A8)までの
公理をルールとして定めてしまえば、そのルールから除法を間接的に
定義できるというわけです。これは、加法に関する(AI)から(A4)までの
公理から懴法を間接的に定義したのと同様のアプローチです。
では、除法÷は乗法からどのように定めればよいでしょうか。まずは以下の
命題について考えます。
補題(乗法の簡納法則)
任意の有理数a,b,c(ただしato)に対し、axb=axcが成り立つ
場合にはb=cが成り立つ。
この命題が真であることを、先に定めた公理(A5)から(As)を用いて証明します。
証明
axb=axcを満たす有理数a,b,cを任意に選びます。ただしaキロです。公理
(A7)より、bk対しては、
b = bx1... (1)
が成り立ちます。また、公理(A5)より、aについて1=axalとなりますが、
これを()に代入すると、

ページ18:

b=bx(axa-z)
を得ます。公理(A6)を用いてこれを変形すると、
b = (bxa) xa²² ... (2)
を得ます。さて、axb=axcと公理(A5)よりbxa=cxaが成り立ちますが、
これを()に代入すると、
b= (cxa)xa²²
を得ます。公理(A6)を再び用いてこれを変形すると、
b=cx(axax)...(3)
を得ますが、公理(A8)よりax=1であるため、これを(3)に代入して、
b=cx1
を得ます。ただし、公理(A7)よりC×1=Cであるため、これを用いると上の式は、
b=c
と言い換えられます。これで証明完了です。
続いて、土の補題から以下の命題を証明します。ただし、証明で使う
ことができるのは(AS)から(A8)までの公理と、それらを用いて真であることが
示された上の補題のみです。
命題(除法の根拠)ー
任意の有理数a,b(ただしato)に対して、式bxxc=aは一意的な解のxにを持つ。
3

ページ19:

⑩
証明
No.
Date
有理数αbを任意に選びます。ただしbキロです。まず、x=axbが方程式
bxxzaの解であることを示します。そこで、bxxのxにxaxbを代入すると
bx (axb-²)
を得ます。公理(A5)よりaxb-2=52xaが成り立つため、これを用いて上の夫
を変形すると、
bx(b2xa)
を得ます。さらに公理(A6)を用いてこれを変形すると、
(bxb2)xa
を得ます。公理(A8)よりbxb=1が成り立つため、これを土の式に代入すると、
1xa
を得ます。公理(A5),(A7)を用いてこれをさらに変形すると、
a
となります。つまり、bxxはaと一致するため、目標が達成されました。
続いて、縦式bxxaの解体が一意的であることを示します。そこで、2つの
異なる有理数ながともにbxx=aの解であるものと仮定して矛盾を導きます。
仮定より、
bxyza

ページ20:

bxyìza
がともに成り立つため、
bxy=bx.g
を得ます。すると、先に示した補題よりyeyとなりますが、これはリキリで
あることとします。したがっZbxx=aの解が一意的であることが示されました。
長々とこの命題を証明してきた理由は、この命題を用いて制去から
開法を間接的に定義するからです。この命題を導くために利用したの
は(A5)から(A8)までの4つの公理と、それらの公理から示された先の補題だ
けです。したがって、上の命題は実質的には(AS)から(AS)までの公理だけ
から導かれたものです。(A5)から(A8)は乗法に関する公理です。乗法に関
する公理より導かれた補題から除法を定義するということは、東から
除法が定義されるということです。
では、上の補題を用い2乗法人から除法を定義しましょう。具体的
には、有理数a,b(ただし6キロ)に対して、方程式bxx=aを満たすような
有理数=ax2を定める演算を除法と呼びます。ただし、axbをaib
で表記し、これをaとbの商と呼びます。

ページ21:

ID
一定義(除法)
No.
Date
有理数a,b (ただし6キロ)に対して、bxx=aを満たす1つの有理数
x=axbを定める算術演算を除法と呼び、この水をa+bで表す。
例えば、2つの有理数1,20除法とは、2xx=1を満たすような有数
x=1x22=1×1/2=1/1/2を求めることであり、それを1÷2で表すという
ことです。
加法と乗法の関係を規定する公理
分配律
加法と乗法×を特徴づける公理を定めた上で、そこから減法一と除法
を間接的に定義しました。最後に、加法と乗法の関係を特徴づける
公理を定めます。1つ目は、任意の3つの有理数a,b,cに対して、
ax(b+c)=(axb)+(axc)…(1)
という関係が成り立つというものです。これを分配律(distributive lan)と呼び
ます。
例えば、3つの有理数1,2,3が与えられたとき、(1)の左辺は、
1x(2+3)=1×5=5
となり、(1)の右辺は、
(1×2)+(1×3)=2+3=5

ページ22:

Date
となるため、確かに(1)の等号は成立します。
公理(A9)
任意の有理数a,b,cに対して、
ax(b+c)=axb+axc
という関係が成立する。
加法単位元と乗法単位元の関係
加法と乗法の関係を特徴づける2つ国の公理は、加法単位元口と乗法
位元1が異なるというものです。
公理(A10)-
○キ1が成り立つ。
加法と乗法の関係を規定する公理は以上で全てです。
また、以上で算術演算を特徴づける公理がすべて揃いました。すべての
公理をまとめておきます。

ページ23:

12,
公理(算術演算の公理)
No.
Date
有理数どうしの加法と乗法×を、以下のすべての命題を満たすものと定義する。
(A1)任意の有理数a,bに対して、a+b=btaが成り立つ。
(A2)任意の有理数a,b,cに対して、(a+b)+c=a+(b+c)が成り立つ。
(A3)有理数が存在して、これと任意の有理数の間には、ato=aという関係が成り立つ。
(A4)それぞれの有理数に対して、a+(-a)=0を満たす有理数のが存在する。
(A5)任意の有理数a,bに対して、axb=bxaが成り立つ。
(A6)任意の有理数a,b,cに対して、(axb)xc=ax(bxc)が成り立つ。
(A7) 有理数が存在して、これと任意の有理数の間にはax=aという関係が成り立つ。
(A8) Oとは異なるそれぞれの有数のに対して、ana=1をだす有理数)=1/2が存在する。
(A9)任意の有理数a,b,cに対して、ax(b+c)=axb+axcという関係が成り立つ。
(A10) キユが成り立つ。
ある集合において加法と乗法という2つの演算を定義したときに、この2つの演算
が上のルールをすべて満たす場合には、その集分を体(field)と呼びます。したがって、
すべての有理数からなる集合を体として定義するということです。
「Oを掛けると口になる」ことの証明
準備ができました。以降では「〇で割ってはいけない」ことを証明しますが、その前
に「口を掛けると口になる」ことを証明します。なぜならば、「口で割ってはいけない」

ページ24:

ことを証明する際には「口を掛けるとOになる」という事実を利用するから
です。ただし、「Oを掛けるといになる」こととは、任意の有理数aに対して
ax0=0が成り立つこととして定式化されます。
・命題
任意の有理数aに対して、
ax020
が成り立つ。
証明
まず、
axo=axo
が明らかに成り立ちます。公理(A3)よりO+O=〇が成り立つため、これを
上の式の右辺に代入すると、
axozax(0+0)
を得ます。公理(A9)を利用して上の式の右辺を変形すると、
axo=(ax0)+(axo)
を得ます。両辺に有理数-(axo)を足すと、
(ax0)+(-(axo))=(ax0)+(axo)+(-(axo))
を得ますが、公理(A4)を利用して両辺をそれぞれ変形すると、
o=axoto

ページ25:

(13)
No.
Date
となります。さらに公理(A3)を利用して土の式の古を変形すると、
0=ax0
を得るためる正明が完了しました。
「口で割ってはいけない」ことの証明
続いて、「Oで割ってはいけない」ことを証明します。
命題
有理数を口で割ることはできない。
証明
有理数を口で割ることができるものと仮定して矛盾を導きます。除法÷の定義
より、有理数a,b(ただしbo)に関する商arbとは、方程式bxx=aの
一意的解x=axbzに相当します。有理数を口で割ってもよい場合には、
これが60の場合にも成立します。つまり、任意の有理数のに対して、一意的な
有理数
axo-1
が存在するということです。aは任意の有理数であるため、上の式においてazo
としても構いません。つまり、一惷的な有理数
-1
0x0 (1)
が存在するということです。先に示した「有理数に0を掛けると口になる」を利用

ページ26:

すると、(1)はOと一致します。一方、公理(A8)を利用すると、(1)は1と
一致します。つまり、(1)は0であると同時に1です。(1)が一意的な有理数
であることを考えると、(2)が異なる2つの値を同時にとることはありません。
しかし、公理(A10)よりロキコであるため、これでは(エ)が異なる2つの値を同時
にとることとなり麺です。したがって、当初の仮定である「有理数を口で割ること
ができる」という設定が誤りであることを意味します。したがって、有理数を口で
割ることはできません。
マイナスの数を掛けると符号が逆になることの証明
続いて、「マイナスの数を掛けると正の符号が逆になる」ことを証明します。
命題
任意の有理数a,bに対して、
(a) xb= - (axb)
が成り立つ。
証明
まず
0=0
が明らかに成り立ちます。先に示したように、任意の有理数bk口を掛けると
0になるため、Oxb=0が成り立ちます。これを用いて上の式の右辺を変形すると、
0=0xb
+

ページ27:

(14)
No.
Date
を得ます。公理(A4)より、任意の有理数aに対してO=a+(-a)を満たす有理
数一のが存在するため、これを用いて上の式の右辺を変形すると、
D=(a+(-a))xb
を得ます。さらに公理(A9)を用いて右辺を変形すると、
0=(axb)+((-a)xb)
を得ます。両辺にー(axb)を加えると、
3
0+(-(axb)) = (axb)+((-a)xb)+(-(axb))
を得ます。左辺に関しては公理(A3)を、右辺に関しては公理(A4)と(A3)を
それぞれ用いて変形すると、
- (axb)=(-a)xb
を得るため証明が完了しました。
マイナスどうしをかけるとプラスになることの証明
最後に、「マイナスどうしをかけるとプラスになる」ことを証明します。
命題
任意の有理数a,bに対して、
(a)x(-b)=axb
が成り立つ。

ページ28:

証明
11118
まず、
0=0…(1)
が明らかに成り立ちます。先に示したように任意の有理数に口を掛け
るとDになります。つまり、Oxb=0が成り立ちますが、bは任意の有蟻数
であるため、bを一口に置き換えた0×(-6)=もまた成り立ちます。これを用いて
(1)の右辺を変形すると、
0=0x(-b)
を得ます。公理(A4)より、任意の有理数aについてO=at(-a)が成り立つ
ため、これを用いて上の式の値を変形すると、
D=(a+(-a))×(-6)
を得ます。公理(A5)を用いて右を変形すると、
D=(-6)x(a+(-a))
が成り立ち、さらに公理(A9)を用いて右を変形すると、
0=((-b)xa)+((-b)×(-a))
を得ます。先に示した「マイナスの数を掛けると符号が逆になる」より
(-b)xa=-(bxa)となるため、これを用いて上の式の右辺を変形すると、
0=-(bxa)+((-b)×(-a))
を得ます。周辺にbxaを加えると、

ページ29:

(15)
0+(bxa)=-(bxa)+((-b)+(-a))+(bxa)
No.
Date
となります。左辺については公理(A1)と(A3)を、右については公理(A1)と(A3),さらに
(A4)を用いて変形すると、
bxaz(-b)×(-a)
を得ます。最後に公理(A5)を用いて両辺を変形すると、
axbz(-a)×(-6)
となり、証明が完了しました。

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