連続
A.1
1.2 数列の極限 13
極めて近いところにいる,ということを述べている (図 1.1 を参照せよ) この番号
no は一般にに依存しており,eを小さくすると,それに応じて no は大きくとらな
ければならない. したがって, no = no (e) と書いておくとわかりやすいであろう.
a - ea ate
+ + ↓
n ≧ no ならば an は常にこの区間内にある
図 1.1 極限 α = lim an の概念図 縦線は数列の各項 an を表す.
n→∞
ここでは記号を用いて数列の収束を定義したが, その定義に従って記号を
用いて) 数列の収束を議論する論法は論法あるいは e-N論法とよばれている.
1
n→∞n
例 1.5 直感的には自明な極限 lim = 0 は, Archimedes の公理 (定理 1.2)
り論理的に厳密に導くことができる.実際, 任意の > 0に対して (a=1,6=e と
して) 定理 1.2 を用いると, 1 < noe を満たす自然数no が存在することがわかる.
このとき, no を満たす任意の自然数nに対して, 1 < no ≤ne が成り立つの
で,この両辺をxで割ると 0</m/ <e, それゆえ |-- 0 <e が成り立つ.以上の
ことをまとめると,
t
VE 03 € NVn EN n
(n ≥ no ⇒ = 1 - 0 | << e)
n
1
が成り立つことが示された. したがって, lim 20が成り立つ.
n→∞n
こんな当たり前なことをなぜ難しい論理記号を用いて証明するのか?という疑問
をもつ人も多いであろう.しかし,このような e-N論法を用いないと証明するのが
非常に困難になるような問題も多数ある. そのような問題の一例としてよく引き合
いに出されるのが次の例である.
例 1.6 lim an = ( αならば次式が成り立つ.
818
a1+a2+..+?
No.
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