[知識]
24. 遺伝子の本体の解明 ●ハーシーとチェイスが行った実験に関する下の各問いに答え
よ。 なお, ファージはタンパク質とDNAからなるウイルスである。 また, 硫黄(S) はタ
ンパク質に含まれる元素で, リン (P)はDNA に含まれる元素である。
[実験] タンパク質に含まれるSを標識したファージを, 大腸菌を含む培養液に添加した。
添加して,大腸菌にファージを感染させた後,遠心分離を行い, 上澄みを捨てて沈殿
を回収した。回収した沈殿に、新しい培養液を加えてミキサーで激しく撹拌して大腸
菌に付着したファージを引き離し、再び遠心分離を行った。 2回目の遠心分離で得ら
れた上澄みと沈殿のS標識物の量を測定した。
さらに, DNAに含まれるPを標識したファージで同じ実験を行った。
合どちらのファージを用いた場合でも,最終的に得られた沈殿に新しい培養液を加え
て懸濁して培養すると,子ファージが生じることが確認された。
問1. ファージを感染させた後, 1度遠心分離を行って上澄みを捨てた目的を説明せよ。
問2.Sが標識されたタンパク質とPが標識されたDNAは、2回目の遠心分離後,それ
ぞれ上澄みまたは沈殿のどちらに多く含まれるか。
子である。
問3. この実験とその結果について述べた次の文章中の空欄に入る適切な語を答えよ。
ファージの殻は, (ア)からなり, 大腸菌に感染して遺伝物質をその細胞内に侵入
させた後,大腸菌の表面に残る。 ハーシーとチェイスが行った実験では,その殻は
(イ)で撹拌することで大腸菌から分離された。 この操作は,大腸菌内に侵入した遺
伝物質を特定することができるものであった。 この実験から,大腸菌内に侵入した物質
は(ウ)のみで,さらに,大腸菌内で新たなファージがふえることも明らかとなった
このことは,(ウ)にその子ファージを産出する遺伝情報がすべて含まれていること
を示していた。 すなわち, 遺伝子の本体が(ア)ではなく, (ウ)であることが明
らかになった。