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化学反応の量的計算 (過不足あり)
全部反応するが、多い方の物質は余る。 よって、不足する
■反応物の量に過不足がある場合 少ない方の物質は
方の反応物の物質量を基準として,生成物の物質量を計算
する。
過不足がある場合の量的関係 ①
鉄Feの粉末5.6gと硫黄Sの粉末4.8gをよく混ぜて
|加熱すると,何gの硫化鉄(II) FeS が生成するか。
原子量: S = 32, Fe = 56
[解説]
反応式 Fe
+
S
FeS
物質量の比
1mol
: 1 mol
:
1mol
反応物のFeとSの物質量は,次の通り。
5.6g_
Fe:
56 g/mol
= 0.10mol S:
(不足する)
4.8g_
32g/mol
0.15 mol
(余る)
よって, Fe はすべて反応し, 生成するFeSの物質量は
Feの物質量と同じ0.10molである。
FeSの式量は56+3288なので, モル質量は88g/mol
であるから,生成したFeSの質量は,
鉄の粉末と
硫黄の粉末の
混合物・
ガスバーナー
図3. 鉄と硫黄の反応
試験管の底から少し上部を加熱し
反応が始まったらガスバーナーの
火を消す。
4. 反応物の多い方の値を使っ
て 生成物の量を計算しないよう
に。 最初に反応物の物質量を求め
ておくこと。
0.10mol × 88g/mol = 8.8g
答
過不足がある場合の量的関係 ②
マグネシウム Mg 1.2gを2.0mol/Lの希硫酸40mLと
反応させた。発生した水素 H2 は,標準状態で何Lか。
希硫酸
マグネシウム
リボン
原子量: Mg = 24
解説 反応式 Mg
+ H2SO4
MgSO4 + H2
物質量の比
:
1mol
1 mol
:
1mol : 1mol
反応物のMg と硫酸H2SO4 の物質量は次の通り。
1.2g
Mg:
=
0.050mol (不足する)
24g/mol
40
L=0.080mol(余る)
1000
H2SO4:2.0mol/L ×
よって、この場合はMgが不足し、 生成する H2の物質量
はMgの物質量と同じ 0.050molである。
気体のモル体積は標準状態で22.4L/molであるから,
発生したH2の体積は,
0.050mol x 22.4L/mol=1.12L=1.1L
メスシリンダー
図4. マグネシウムと希硫酸の反
ふたまた試験管の突起のある方に
Mg (固体), 突起のない方に希
酸 (液体) を入れる。ふたまた試
管を傾けると, 反応が起こって
素が発生するので、水上置換法
よりメスシリンダーに捕集する。