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◆266. 溶解熱と中和熱 次の文を読み、 下の各問いに答
えよ。ただし,水溶液の比熱はすべて 4.2J/(g・℃),
水および塩酸の1mLは1.0gとする。 また, 溶解や
混合によって水溶液の体積は変化しないものとする。
ビーカーに水100mL を入れ, 一定温度になってい
ることを確認したのち, 水酸化ナトリウム 4.0gを加
え, 撹拌して溶かしていくと温度が上昇した。 この間
の温度変化を図に示した。
この水酸化ナトリウム水溶液50mLを別のビーカー
にとり, 温度が一定になったのち、 同じ温度の1.0mol/Lの塩酸50mL を加えると, 温
6.7℃上昇した。
(1) 下線部について, グラフから温度上昇を正しく読み取り, その値を求めよ。
(2) (1) で読み取った値から発熱量を求めると何Jとなるか。
(2) 水酸化ナトリウムの溶解熱 〔kJ/mol] を求めよ。
(4) 水酸化ナトリウム水溶液と塩酸との中和熱 〔kJ/mol] を求めよ。
(5) 上の実験に続いて, さらに別の実験を追加してヘスの法則が成り立つことを確か
めたい。 どのような実験を追加するのが適当か。 簡潔に記せ。
(09 浜松医科大)
(原子量) H=1.0 C=120=16 Na=23
50m²=5gg?
温度
度 30
(°C)
25
20
0
水酸化ナトリウ
ムを加えた時点
時間
答え
水酸化ナトリウム水溶液と塩酸の中和熱を Q2 [kJ/mol] とすると,
熱化学方程式は, 次式で表される。
NaOHaq+HClaq=NaClaq+H2O+QzkJ
4.0gの水酸化ナトリウムを水100mLに溶かした水溶液のモル濃度は,
4.0/40 mol
=1.0mol/L
100/1000L
この水溶液50mLと1.0mol/Lの塩酸50mLはちょうど中和するので,
生成した水の物質量は, 次のようになる。
1.0mol/L×
L=5.0×10-mol
一方, 水酸化ナトリウム水溶液100mL の質量は, 水 100mL (=100g)
に水酸化ナトリウム4.0gを加えているので, 104gである。 したがって
水酸化ナトリウム水溶液50mL の質量は, その半分の52gとなる。 また,
塩酸50mLの質量は50g である。 水酸化ナトリウム水溶液と塩酸の中
和によって水温が6.7℃ 上昇したので, 熱量は次のように求められる。
熱量 = (52+50)g×4.2J/(g・K)×6.7K=2870J=2.87kJ
5.0×10molの水の生成で 2.87kJ の熱が発生したので, 1.0mol の水
の生成では次のようになる。
2.87kJ
5.0×10-² mol
50
1000
-=57.4kJ/mol