の
化相対主葉
6ナルシシス!
一文化の独自性の主張にとどまらない。ぞれは、自分たちの「文化」だけでなく、およ
己中心的
narcissistic
そ「自文化」というものを、自閉的でナルシシスティックに肯定したいこの世界のあり
とあらゆる者たちの共犯者となって、自らが帰属する社会を、その歴史を、無条件に背
定したいというし愛に満ちた欲望を支えている。お前たちはそれを侵略といい、虐殺
6「このよう
ようなこと
といい、奴隷制という。それはお前たちの価値観、お前たちの歴史だ。われわれにはわ5
7グローバリ
れわれの価値観、われわれの歴史があるのだという主張。そして、このような「文化相
英語の「地
からきてお
対主義」に基づいて主張される多文化主義は、アメリカの覇権主義を共犯者として補完
するものであって、決して、グローバリゼーションの対抗言説にはなり得ない。
B したがって、反·自文化中心的な文化相対主義に基づいて、「文化」を、そして「文
社会的な活
地域を超
まで拡大
意味する
alization
化の違い」というものを考えること。でのようなものとして、いま「文化」を理解する 10
ことこそがおそらく、いまだ明かされない新しい普遍性へと世界を、そして私たちを開
(三国)
およそ
いていくだろう。
岡 真理 一九六O(昭和三五)年ー。現代アラブ文学研究者。東京都に生まれた。パ
学の研究に従事する一方、アラブ社会の女性が抱える問題点を鋭く指摘している。著書
物語」「アラブ、析りとしての文学」などがある。この文章は二〇〇一年四月の「大航
されたもので、本文は同誌によった。