質問1:
内藤湖南は次の史料のような主張もしています。
史料:内藤湖南 「支那の国際管理論」
そ
今日の世界の重大問題は支那問題である。 ··· 支那が特別に重大問題となるのは、其の大切な関係のある広大な土
而して現在の支那の政治家に依つては到底
ほとん
あ
ため
しこう
よ
地人民が極めて微弱な殆ど放漫な統治状態に在るが為である。
これ
しばしば
びんらん たんしょ
之を完全に統治し得る見込がない。 それが為に屡々世界平和素乱の端緒となるのが常に各国の心配の種となっ
ここ
その
て居る。茲に於いて之に対する救済策が講ぜられる。 現在其救済論として知られて居る二つの流れがある。 其の
ども
も
しこう
ひとつは老年支那は全く其の救済者たる見込がないけれ共、 青年支那、即ち新に外国風の教育を受けた支那人は
支那を救済する資格を有して居ると考へて、之を守り立て 支那人自身をして支那を救済せしめようと考へるのが
其の一つで、之は主に米国人の議論に多いのである。 而して英国人も学者の側には多少さういふ意見がある。 今
ど
一つは老年支那も青年支那も等しく支那を救済する資格はない、 支那の統治を完全にすることは何うしても外国人
の力に依らなければならぬと考へるのであつて、 其結果支那の国際管理を主張することになる。之は英国人殊に
その
こと
実際家たる支那通の方に多い意見である。
いわゆる
ごと
あるい
しこう
…所謂支那の国際管理の如きは或は自分が最も早い主唱者であるかも知れぬ。
而して支那の為に考へ
もし
若くは日本の立場から言っても、 決して左様な成行を希望して居るのではないが、 世界の平和の維持並に支那人
民の救済から考へて、 左様に成行くより外に道がないのではないかといふ意味で警告して居たのである。[内藤湖
南「支那の国際管理論」 『表現』 12 1921年。 のち 『内藤湖南全集』 5 筑摩書房、1972年所収。]
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