濃硫酸を少しずつ加えていくようにして混酸をつくる。 生成したニト
ロベンゼン (密度1.2g/cm²) は水に不溶な淡黄色の油状物質で,混酸
(密度約1.6g/cm²) には浮くが、 水 (密度1.0g/cm²) に入れると沈む。
[実験2] の前半ではニトロベンゼンの還元をしている。 還元剤と酸化
剤のはたらきは,
Sn + 4HCl → → SnCl + 4H+ + 4e
C6H5NO2+6H++ 6e → C6HsNH2 + 2H2O
①式×3+②式×2 より,
2C6H5NO2 + 3Sn + 12HCl
→ 2C6H5NH2 + 3SnCl4 +4H2O
*①4
塩酸が過剰の場合は,生成物はアニリン塩酸塩となる。
2C6H5NO2 + 3Sn + 14 HCl
2C6H5NH3C1 + 3SnCl4 + 4H2O
反応物のニトロベンゼンは水に不溶なので, 濃塩酸とは二層に分かれ
ているが, 生成物のアニリン塩酸塩は水に溶けて均一な溶液となる。
実験2] の後半では弱塩基遊離反応によりアニリンに戻している。
NHBCI
+ NaOH
→
(弱塩基の塩) (強塩基)
NH2
+ NaCl + H2O
(弱塩基) (強塩基の塩)
リンをジエチルエーテルに溶かし, 抽出する。 その後,さらし粉
赤紫色に呈色することで, アニリンを検出する。
験3]ではアニリンをジアゾ化している。
NH2
-N+
+ NaNO2 + 2HCI
←
NEN] CI-
CI + NaCl + 2H2O
塩化ベンゼンジアゾニウム
物の塩化ベンゼンジアゾニウムは不安定な化合物で, 5℃以上で
分解が起こり, フェノールと窒素が生成する。
N₂CI
+ H2O
OH
+ N2 + HC1
■]の反応はジアゾカップリングで, アゾ化合物
-NC1 +