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分子量測定法には凝固点降下法や浸透圧法などがある。 高分子化合物の分子量測定の場合には,
いずれの方法が良いだろうか。平均的な大きさのタンパク質(分子量 3.00×10)の分子量測定に
ついて、二つの方法を比較してみよう。このタンパク質 0.300gを水 100mLに溶かし測定に用いる
とし,水のモル凝固点降下 1.86K kg/mol, 水およびタンパク質水溶液の密度1.00g/cm,水銀の
密度を 13.5g/cm, 1.013×10 Pa=760mmHg, 気体定数R=8.32×10°Pa・L/(K・mol)とする。
数値で解答を求める問に関しては、 有効数字2桁で解答すること。
問1 タンパク質水溶液の凝固点降下度は何Kか。
問2 右図に示すような, 断面積が2.00cm² のU字管の中央に半透膜を
固定し, 片方に純水を入れ、 もう一方に,タンパク質水溶液を入れて
液面の高さが同じになるようにし、27℃で長時間放置すると液面の
高さに差が生じた。この差は何cmか。 ただし, 溶媒の移動による
タンパク質水溶液の濃度変化は考慮しなくてよい。
水
水
S
問3 高分子化合物の分子量を測定する場合,どちらの測定法を用いる
のが良いだろうか。 問 1, 2の結果を踏まえて、以下の文章中の(a),
(b) のいずれかを選択し記号で答えよ。
半透展
高分子化合物の分子量測定には {(a) 凝固点降下法, (b) 浸透圧法 } が適している。
問4 問3のように判断できる理由をすべて選び, 記号で答えよ。 該当するものが無い場合は,(z)
と記せ。
(a)温度差がきわめて小さく, 精密な温度測定を必要とするから。
(b)温度差が十分大きく, 精密な温度測定の必要がないから。
(c) 液面の差が少なく, 長さの精密な測定が必要だから。
(d) 液面の差が十分大きく、長さの精密な測定を必要としないから。
(e)タンパク質は構造が複雑すぎるから。
(f) 高分子化合物は理想気体とは見なせないから。
(g) 浸透圧の測定は難しいから。
km