きだ。「緑のダム」と呼ばれる森林は、
込ませ、ろ過し、地下水として蓄える。また、水を張った田んぽに
も地下水酒養の機能があり、平均して、一日一へクタール当たり
ニ万トンの水を土壌に浸透させている。森林も水田も、貴重な地下
水を育む場所なのだ。
また、日本では、使った水を繰り返して使う「再利用」の技術が
進んできている。工業用水の再利用は、一九六〇年代には三五パー
セント程度だったが、現在では七ハパーセントにまで高まっている。
この技術を発展させ、それを世界に発信することによって、水問題
に苦しむ国や地域に貢献することができる。
水問題は、水自体に問題があるわけではない。行きすぎた人間の
行動が鏡に映ったものが、水問題である。これは、地域の問題であ
ると同時に、世界の問題である。現代の課題であると同時に、将来
を見据えて長期的に捉えるべき課題である。自然の摂理の中で、身
近な水を大切に使う生活、一〇年後、一〇〇年後の水を育む生活こ
かんよう