19 〈化学変化と質量③>
次の文章を読み、あとの問いに答えなさい。
1774年,ラボアジエは ① 「化学変化の前後で,物質の質量の総和は変化しない。」という法則を発
見した。また,1799年にプルーストは「同一の化合物に含まれる成分の質量の割合は一定である。」
という法則を発見した。
これらの法則を説明するため, 1803年にドルトンは「物質はすべて分割できない最小単位の粒子
である原子からできている。」と考えた。 ドルトンの考えた原子および複
合原子(2種類以上の原子が結びついた粒子) のモデルの例を図1に示す。
図1
その5年後の1808年,ゲーリュサックはさまざまな気体反応に関する
実験を行い, 「気体の反応において, 反応する気体および生成する気体の
体積は簡単な整数比となる。」 という法則を発見した。 ゲーリュサックは, 「気体の種類によらず,同
体積の気体は同数の原子または複合原子を含んでいる。」という仮説をたてた。この仮説とドルトン
のモデルを用いて水素と酸素から水蒸気ができるときの反応を考えると図2のようになるが,体積比
が 「水素 酸素: 水蒸気 = 2: 1:2」 になるよう右辺を埋
めようとすると ② 矛盾が生じる。
図2
そこで, 1811年, アボガドロは 「原子がいくつか結び
ついた粒子である ( A )がその物質の性質を示す最小単
水素2体積 酸素 1体積 水蒸気2体積
位として存在している。 そして,気体の種類によらず,同
体積の気体は(B)。」 と考え, ドルトンの考えとゲーリュサックの実験との間にある ③ 矛盾を解
JST -
決した。
(1) 下線部①の法則名を答えよ。
〔
ト〕
(2) 60gの酸化銅と炭素を混合して加熱したところ, 銅48gと二酸化炭素 16.5g が生じた。 銅原子1
個と炭素原子1個の質量比を,最も簡単な整数比で答えよ。ただし, 他に生成物はなかったものと
銅原子:炭素原子=〔
する。
DEL
(
○上の文章中の(A)にあてはまる語句を答えよ。
難 (4) 下線部②について, 矛盾が生じることをモデルを用いた図で右にモデル
示すとともに,矛盾の内容を文章で説明せよ。
+
(5) 上の文章中の(B)に入れるのに適当な内容を, 15字以内で答えよ。
(6) 下線部③について, アボガドロは(A)の存在を考えることで、
どのように矛盾を解決したか。 モデルを用いた図で右に示すととも
に,文章で説明せよ。
(大阪教育大附高池田)
モデル
水素原子
酸素原子
水の複合原子
?
?