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不確実な事象と起こりやすさ
サッカーの試合の勝敗予想がよく当たるという猫に、あるトーナメント
戦の勝敗を予想させたところ, 30 試合中 19試合が的中した。 この結果から、
この猫の予想は本当によく当たると判断してよいだろうか。
仮に,当てずっぽうで予想したとしても,30試合中 19試合かそれ以上
の試合で的中することは起こり得る。そこで,この猫が当てずっぽうで予
想をしていると仮定したとき, 30 試合中 19 試合以上で的中するという事
象がどの程度起こりやすいか調べてみよう。
当てずっぽうの予想が的中するかどうかを,コイン投げに置き換えて考
える。1試合につき均質なコインを1枚投げ, 表が出れば予想が的中, 裏
が出れば予想が外れたと考える。 このコイン投げを30回行ったときの表
(C)
COLLEGE
の回数を数える実験を行う。
D このコイン投げの実験を,コンピュータを用いて10000回繰り返したと
ころ、次のような結果が得られた。
(回) 4
4 仮説検定の考え方
節 m
1500
1000
500
150
274
1802
529
1110
1447
1369
1271
1069
851
517
311
147
2 6 22 54
5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 (表の回数)
53 13 1 2
Q
上のグラフより、 表が 19 回以上出た回数を合計すると
517 + 311 + 147 + 53 + 13 + 1 + 2 = 1044 (回)
であるから,表が19回以上出る確率はおよそ 10.4% といえる。