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|Aプライマーを鋳型 DNA 上に合成する。そこに DNA ポリメラーゼが結合し, 新生鎖
隊状の DNA の複製は, 次のような手順で行われる。プライマーゼという酵素がRN
Sから3'に向かって合成される。その時,()連続的に合成される長い DNA 鎖と、岡
崎フラグメントとよばれる複数の短い DNA 鎖が形成される。その後,新生鎖のRNA
アライマーは分解され, S'側の岡崎フラグメントが伸長する過程で DNA に置き換えら
れる。この結果, (2新生鎖 DNA の 5' 末端は鋳型鎖と比べて短くなる。
具核生物の線状の DNA の末端にはテロメアとよばれる DNA配列がある。テロメア
の機能を調べるために以下の実験を行った。
[実験 1]
図1に示すようなロイシン合成酵素の遺伝子を持った環状のプラスミド DNA を,
生存にロイシンを必要とする細胞に入れ, ロイシンを含まない培養液で培養したとこ
ろ,このプラスミド DNA を持つ細胞は生存し,増殖した。
分子最
A(2,000)
大きい
a
b -
ロイシン合成酵素の遺伝子
B(4,700)
図1 プラスミド DNA の構造
C
小さい
図2 実験5の電気泳動
の結果
( )内の数字は, それぞれ制限酵素A
またはBで切断される塩基対の位置を表
している。
0 制限酵素Bで切断
する前のプラスミド
DNA
② 制限酵素Bで切断
した後のプラスミド
DNA
[実験 2]
図1のプラスミド DNA を制限酵素Aで切断し, 線状にして実験1で用いた細胞に
|入れ,ロイシンを含まない培養液で培養したところ,細胞は死滅した。
[実験 3)
実験2 で切断したプラスミド DNA を実験 1 で用いた細胞に入れてロイシンを含む
培養液で培養したところ, 細胞は生存し増殖した。しかし, 細胞に入れた DNA は検出
できなかった。
[実験 4)
図1のプラスミド DNAを Aで切断した後に, 1,500 塩基対の2本鎖のテロメアD
NA を両端に付加した。これを実験1 で用いた細胞に入れ, ロイシンを含まない培養
液で培養したところ,このDNAを持つ細胞は生存し, 増殖した。
[実験 5)
主験4で細胞に入れた DNAの大きさを解析するため, ①制限酵素B で切断する前
TAと、のB で切断した後の DNA を電気泳動したところ, 図 2のようになった。