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金属イオンの沈殿生成反応を上手く利用することで, 溶液中に存在するイオン
の分離や定量などが可能となる。 次の文章Aはその分離に関して,次頁の文章
Bは定量に関して記述している。 これらの文章を読み, 問1~4に答えなさい。
A: 図3はCa', Na', Zn'', Fe3*, Pb'', Cu', Ag' を含む試料溶液に対
して、各イオンを分離し, 目視でその存在を確認した手順を示している。 操
作 aでは試料溶液に塩酸を加えることで Ag', Pb CI [ ①]色の
沈殿を形成する。 生成した沈殿をろ別することで Ag′.Pb”を他の金属イ
オンと分離できる。ここで塩化鉛の沈殿のみが [ ② ]に溶けるため、操作
によりPb”と塩化銀の沈殿との分離が可能となる。 さらに, 操作 c ~f
により、残りの金属イオンもそれぞれ沈殿として分離され, 最終的に沈殿せ
ず試料溶液に残るのは Na' となる。
試料溶液
(Ca,Na,Zn, Fe', Pb'C', Ag)
沈殿
沈殿
操作b:②
溶液
溶液
(Na)
操作 a: 塩酸を添加する
溶液
を加える 操作 c: HSを吹き込む
沈殿
溶液
沈殿
溶液
沈殿
操作 d: 加熱して煮沸後,濃硝酸
を数滴加え, NHCI を加えたのち
アンモニア水で塩基性とする
操作e HSを吹き込む
沈殿
溶液
操作 f: 酢酸を添加し, 煮沸後,
アンモニア水で塩基性として (NH) COを添加する
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図3 金属イオンの分離手順
(各操作における金属イオン濃度や添加溶液濃度は分離に最適なものとする)
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