思考判断論述
n121.生物多様性の変動■次の文章を読み, 下の各問いに答えよ。
生物多様性とは,生態系や生物群集を構成する種そのものや種間関係の複雑さを表す言
葉である。生物群集を構成する種の多様性は, 生物多様性の指標の1つとされる。 これを
数値化したものに多様度指数があり, 生物群集を構構成する種の数と, それぞれの種の相対
頻度を考慮した値として「多様度指数%3D1-各種の相対頻度の2乗の和」 で計算される。
たとえば,表のように5種類の魚が同じ個体数ずつ生息する湖の多様度指数を計算すると,
下の式のように0.8になる。
生物群集において, 絶滅や移入などで、
表 ある湖に生息する魚のすべての種の個体数
種
A
B
C
D
E
200
200
の構成種の種数が変化した場合や, ②構成種
の相対頻度が変化した場合に, 多様度指数も 多様度指数
変化する。現在,生物多様性に対する人間活 =1- (0.2°+0.2+0.2+0.2"+0.2)=0.8
動の影響が懸念されている。たとえば,。生息地の開発や外来生物の持ち込みが,生物多
様性の低下をもたらす事例も知られている。
問1.下線部のの絶滅の影響に関する下の問いに答えよ。
(1) 表の湖の構成種のいくつかが絶滅し, 他の種の個体数に変化がないと仮定した場合,
多様度指数はどうなるか。
(2) どのような種構成のときに,多様度指数が最小になるか。
(3生物多様性に対する絶滅の影響について, 40字以内で考察せよ。
財2,下線部2に関して, 表の湖に新たな種Fが侵入した結果,種A~Eの各個体数が半
滅し,種Fの相対頻度が0.5になったと仮定する。このときの多様度指数を答えよ。
問3,下線部3に関して, 生息地の開発や外来生物の持ち込みが,生物多様性の低下の原
因となる理由について, 下線部①と②を考慮して, 100字以内で答えよ。
ヒント
個体数
200
200
200
(09. 千葉大)
ここでの相対頻度とは, 全種の合計個体数を1としたとき,それに対する各種の個体数を割合で示した
値である。たとえば,表中の種Aの相対頻度は, 200 + ( 200 + 200 + 200 + 200 + 200)=D 0.2 となる。