B ある昆虫の遺伝子 (遺伝子 X) では, 転写される部分のセンス鎖 (㎡RNA の鋳型
となる鎖と相補的な鎖)は3584塩基からなり, その中には, 第1エキソン (E1),
第2エキソン(E2), 第3エキソン(E3), 第4エキソン(EA)の4個のエキソンと,
第1イントロン(11), 第2イントロン(12), 第3イントロン (13)の3個のイント
ロンが含まれ,転写開始点側から El, I1, E2, 12, E3, I3, E4の順に並んでい
る。表1は,各エキソンと各イントロンのそれぞれのセンス鎖について, 塩基数
および5'末端側と3 末端側の4塩基の配列を示している。
遺伝子Xからは, 選択的スプライシングによって2種類の mRNA (A1と A2
とする)がつくられる。 Al は El, E2, E3, E4 を転写した部分が結合したもの
であり,A2 はEl と E4 を転写した部分が結合したものである。また, Al と
A2 のいずれのmRNA においても, 開始コドンはE1 の171番目から173番目に
対応する部分にあり, 終止コドンは E4の283 番目から 285番目に対応する部分
にある。なお,表2は遺伝暗号表である。
表 1
センス鎖
の塩基数
センス鎖の5'末端側と
3'末端側の4塩基の配列
エキソンとイントロン
第1エキソン(E1)
335
5-GATG… TTTG-3'
第1イントロン (11)
559
5'-GTGA… GAAG-3'
第2エキソン(E2)
76
5-CTTT
..CCAG-3"
55
5-GTGA……
*TCAG-3
第2イントロン (12)
第3エキソン(E3)
944
5-AGGA-
·ACAG-3'
5-GTCA
.·· CTAG-3'
第3イントロン(13)
第4エキソン(E4)
513
1102
5-ATCT… GGGT-3'